毎月コツコツと預金口座にお金を積み立てている方は多いでしょう。ただ、物価上昇が続く中で、「預金だけで将来に向けた備えとして十分なのか」と感じる場面もあるかもしれません。
同じ金額を積み立てるとしても、銀行に預けるだけの場合と、非課税制度である新NISAを使って運用する場合とでは、将来受け取れる金額に大きな開きが生まれることがあります。10年間続けた場合、その差は数百万円単位に広がることも珍しくありません。
本記事では、毎月10万円を積み立てるケースを例に、銀行預金と新NISAでの積立投資で10年後にどれだけ差が生まれるのか、具体的な試算をもとに比較しながら、投資信託の選び方についても解説します。
1. この記事の3つのポイント
-
預金と積立投資で10年後に大きな差 -
複利効果で運用期間が長いほど有利 -
投資信託の選び方はコストと投資地域がカギ
2. 毎月10万円を10年間預金した場合、資産はいくらになる?
毎月10万円を銀行預金に積み立てた場合、10年間の元本は合計1200万円です。日銀の利上げを背景に、定期預金金利は年0.6%程度まで上昇していますが、資産を大きく増やす水準とはいえません。
年0.6%の複利で10年間預けた場合、得られる利息は約36万円(税引前)にとどまり、最終的な資産額はおよそ1236万円です。
利息には約20%の税金がかかるため、手取り額はこれよりも少なくなります。加えて、年2%程度の物価上昇が続けば、同じ金額で買えるものが実質的に目減りしていく点にも注意が必要です。
3. そもそも新NISAとは?
- NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益(通常は20.315%課税)が非課税になる制度
- 2024年1月の制度拡充により「新NISA」としてスタート
- 年間の非課税投資枠が拡大し、非課税で保有できる期間も無期限に
それでは、この新NISAで積立投資をした場合、預金と比べてどのくらいの差が生まれるのか見ていきましょう。
4. 新NISAで積立投資した場合、10年後の資産額は?
同じ月10万円を新NISAで積立投資に回した場合、想定利回りごとに資産額は次のように変わります。
- 利回り3%:運用収益194万円、資産合計1394万円
- 利回り5%:運用収益344万円、資産合計1544万円
- 利回り10%:運用収益799万円、資産合計1999万円
5. 預金との差はどれくらい?複利の効果を確認
預金の場合の資産額(約1236万円)と比べると、利回り3%では158万円、5%では308万円、10%では763万円の差が生まれる計算です。
この差を生んでいるのが複利の効果です。運用で得た利益が元本に組み込まれ、その利益にもさらに利益がつくため、運用期間が長くなるほど後半にかけて資産の増え方が加速していきます。
6. 積立投資のイメージがついたら、次に悩むのが「投資先選び」
シミュレーションで数字のイメージがついても、実際に新NISAを始めようとすると、多くの人がつまずくのが投資先選びです。「オルカンかS&P500を選んでおけば間違いない」という声もよく聞かれます。運用実績が好調なことに加え、低コストで米国を中心とした世界経済の成長を取り込める点が理由として挙げられ、ここ数年はドル高・円安の影響も追い風になってきました。
6.1 【1分でわかる】投資信託選びのワンポイント
オルカンやS&P500はたしかに人気ファンドですが、これらに投資するのが正解かどうかはわかりません。
ただし、投資初心者であれば、オルカンやS&P500など”低コストなインデックスファンド”を選んでおくのが王道だと考えます。
そのうえで商品を選ぶ際は、「信託報酬(保有中にかかるコスト)」と「投資対象地域(全世界か、米国中心かなど)」の2点を確認しておくと、自分に合った1本を見つけやすくなります。
預金と積立投資の差、そして投資信託選びの基本的な考え方さえ押さえておけば、新NISAでの第一歩は十分に踏み出せるはずです。





