2019年8月30日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社タカショー2020年1月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社タカショー 代表取締役社長 高岡伸夫 氏
高岡伸夫氏:みなさまこんにちは。大変お忙しいなかご参集賜りましてありがとうございます。また日頃から大変お世話になっております。ありがとうございます。それでは、スライド資料に沿って説明させていただきます。まず、第2四半期決算の報告、それから事業展開と中長期の計画について説明します。
1-(1) 決算ハイライト 【連結】
まずは決算のハイライトについてです。2020年第2四半期実績としては、売上が94億600万円、営業利益が3億8,700万円、経常利益が3億2,400万円、純利益が1億5,800万円でございます。
1-(2) 損益計算書 【連結】
ホームユースの減収については季節要因などがあり、それが全体の売上にも影響しました。
1-(3) 販売セグメント別推移 【連結】 (参考)
全般的に投資を続けながら、非常に大きいマーケットのなかでオンリーワンになっていくために先行して商品戦略へ投資してまいりました。
全国のショールーム政策などの影響により、プロユース事業は前年同期の107パーセントと伸長しました。過去の流れを見るとホームユース事業は少し厳しい状況にありますが、中国の大きい自社工場が動き出しましたので、世界のマーケットの流れに対して日本のマーケットの数字も動き出すと考えております。
海外事業の数字としましては、ドイツ販社の清算を進めるにあたり、売上の減少および利益面では、退職金見合いの拠出約1億円や清算にともなう在庫評価減などが影響しております。清算は今期中にほぼ完了する予定です。
1-(4) 販売費及び一般管理費分析 【連結】
販管費および一般管理費でございます。人件費等は減少しております。
1-(5) 主要経営指標 【連結】
連結での主要経営指標でございます。株価は457円から455円となり、これはみなさまの期待値には遠いかもしれません。
1-(6) 貸借対照表 【連結】
連結の貸借対照表でございます。ご覧ください。
1-(7) 有利子負債分析 【連結】
有利子負債です。今までの運転資金と投資からすると、当社としては大きく投資してまいりましたが、返済と同時に増資もいたしましたので、ここのところが改善してきております。
在庫等も減っており、社内でも「在庫削減」のプロジェクトを取り組んでおります。借入金についは、当然ながら有利子負債を少しでも減らしていこうと進めております。
1-(8) 有利子負債分析 【連結】
プロユース事業とホームユース事業に関する内容でございます。
プロユース事業では、「マス・カスタマイゼーション」というライン型の大量生産ではなく、お客様のご要望に合わせて商品を作ることができる生産方式を進めています。
それからホームユース事業では、中国の九江工場です。世界ナンバー1のガーデン専門工場を目指し、日本品質を作るために、現地では日本人が品質管理をしています。
それから、新しい商品建材として、大型のインクジェットプリンター(を用いた)外装建材化粧をまもなく発売します。まだ売上には寄与していませんが、これから大きく伸びるのではないかと思っています。
1-(9) 財政の概要とキャッシュ・フローの概要 【連結】
営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローです。
1-(10) 2020年1月期 業績予想 【連結】
2020年1月期の業績予想です。売上高は186億3,400万円、販管費は72億9,100万円、営業利益は6億4,800万円、経常利益は5億4,200万円、当期純利益は3億7,200万円を見込んでおります。従来は下期は利益の出難い体質でしたが、プロユースの売上比率が増加したことにより、一部建材型になっており、季節の波が少なくなってきております。
それらを踏まえて、業績予想の修正は行っておりません。
2-(1) 基本理念とミッション
当社のミッションとしての「より良い庭での暮らしをグローバルに提供する企業」ということは、創業以来変わっておりません。
2-(2) 事業展開 ~事業セグメントとビジネスモデル~ オーダー型&スタイル型トータル供給メーカー
事業領域についてです。ガーデンとエクステリア、すなわち家と庭のランドスケープ、スマートタウンなど、家のみならず、周辺についても豊かな暮らし方を作っていきたいと考えています。
2-(4) プロユース事業の展開 -プロユース事業の特徴-
事業展開についてご説明します。「囲われたエデン」としてのガーデンはイギリス発祥のもので、イギリスから世界に展開しています。
そして、門、扉、フェンスをはじめとした住宅付帯型の日本で作られた非常に優秀な外構として、エクステリアがあります。
現在はインバウンドの影響で非住宅の商業施設や街並みなど(に関する分野)が伸びています。当社はそれらに、新築・リフォーム・リノベーションの3つを組み合わせながら進めています。
2-(5) プロユース事業戦略 -ガーデン・エクステリア市場規模と施策-
現在はパッケージ提案に注力し進めています。商品単体ではなくて空間価値を重視し、QRコードからVR体験や動画も見られるような仕組みを整えています。価値やストーリーを組み合わせながら、お客さまにどのように体験してもらうかということを考えています。
いわゆるバーチャルとリアルの融合です。
当社は1980年の8月21日に4人によって創業されました。ようやくここまで成長しましたが、踊り場のように業績が停滞した時期もあります。
2012年、2013年、2018年に増資によって資金調達をさせていただきました。当然ながら、踊り場の時期に先行投資した設備、建物、ショールームなどの結果はまだ出てきていません。
投資なき成長、投資なきリターンはありませんので、まず投資をいたしました。こうした背景を踏まえつつ、当社は現在も踊り場の時期にきていると考えており、みなさまにもそう思っていただければ幸いです。
エクステリアやリビングガーデンの空間について、ネットと連動するショールームを作っています。
住まいの延長線上にあるそのようなショールームを作りながら、大量生産品を流通させたのでは我々の存在価値が薄まるので、世界のトレンドでもあるお客さまのニーズによって生産するという仕組みを作ったのが、当社のマス・カスタマイゼーションです。カスタマイズと大量販売をつなげる仕組みを作っております。
プロユース事業は、別注生産と短納期を実現するため、すべて国内の工場で対応しています。また、世界のホームセンター、ガーデンセンター、チェーンストアなどに対応するために、中国に集約しております。
プロユース事業では少し芽が出てきております。この10年でプロユース事業の売上は倍になりました。
具体的な投資内容としては、国内製造子会社であるガーデンクリエイトがあります。和歌山、徳島の工場だけでは、全国にネットワークを展開できないため、現在は栃木県の鹿沼の生産工場を拡大しております。
それから九江の工場です。床面積は延べ8万8,000平方メートルに拡張し、世界のマーケットに納品できるように整備を続けています。
そして、インクジェットプリンタの設備を導入し、建材メーカーやパネル建材メーカーのような競合他社と異なり、情緒のある化粧外装建材を展開してまいります。
2-(4) プロユース事業の展開 -プロユース事業の特徴-
プロユース事業としては、ガーデンの2,330億円、エクステリアの4,700億円、非住宅の13兆円を含め、トータルライフスタイルの提案として、別注の自動化、積算の自動化に取り組みつつ、仕組みを作りあげています。
タカショーガーデン&エクステリアフェア2019
全国のエクステリアの体感型のショールームをさらに充実させていき、50~100人で勉強会が開催できるような研修スペースも充実させ、住宅メーカーや一般の方にもご利用いただきながら発展させていきます。
カタログに関しては、デジタルカタログとアナログカタログの両方で発信しています。
先だって「住まい方改革」をテーマに自社展示会を開催しました。展示会のイメージはスライドをご確認ください。
タカショーができることは、ラインを作っていないということを活かして別注で商品を作ることと、ファニチャーから一式全てを納品するということです。競合他社はラインを作って大量生産をするという仕組みになっているので、実はこのような1品ものは作れないのです。つまり、厳密には競合しません。
空間のパッケージは四季にわたって変化します。1日の間でも変化があります。夜になれば光が点きだします。当社のローボルトライトは日本で大きなシェアを持っています。
100ボルトライトだと電気工事士の資格が要りますが、12ボルトや24ボルトのローボルトライトだと、多能工化によって1人で何でもできるようになります。
2-(6) プロユース事業戦略 ‒コントラクト市場規模と施策-
コントラクト市場はビル・マンションと、もう1つの建材市場も順調に伸びています。とくにストリンガー材という外装に使う材料が圧倒的に伸びています。
2-(7) ホームユース事業戦略 -自社工場生産品を強化-
ここで中国の工場のビデオを見ていただきたいと思います。
(中国工場に関する動画が流れ始める)
従来の床面積70,000㎡に加え、18,000㎡を増築しました。これが世界のマーケットを支える工場です。
ソーラーライトやLEDなど、いろいろなものをそれぞれの工場棟で作っています。ここから世界中に出ていくということです。品質管理は、日本からの指導を行っています。
ゼロからここまで作り上げたため、時間がかかりました。何よりも、規模の大きいものを自社でテストできる仕組みを作っています。この工場は中国にあっても日本のメーカーの工場ということで、品質管理を徹底しています。この工場は世界中でコストコなどの指定の工場になるまでになりました。
完成した商品は世界中に出荷されます。これが我々が世界に持っている販社の全てです。
(動画終わる)
ちょうど明日まで幕張メッセで弊社のブースも出展しています。「Do It For Me」という「私のために工事をやってください」という分野に対しても商品を展開しています。
2-(8) 海外事業戦略 -ホームとプロの連動により売上拡大-
「プロユース事業とホームユース事業を海外に連動させよう」という取り組みのもと、海外での売上が徐々に膨らんでいます。
これからは生活向上型へ
それでは中長期計画についてです。考え方としては「これからは『生活向上型』」です。「健康、心身の豊かさ、幸せ、楽しさ」です。
タカショーのオンリーワン政策
そしてなにより、我々はこれから「マス・カスタマイゼーション」に向かっていきます。お客さまのニーズに基づく大量販売の仕組みを作りながら、生活の豊かさを作っていきます。
3-(1) 中長期計画【連結~セグメント別~】
プロユース事業の伸びをベースにしながら、最低でも2022年に225億円、そして、2025年には300億円の売上を達成していかないといけません。これは投資とマーケットを参考に考えています。
3-(2) 中長期計画【連結~利益~】
連結利益の計画です。2022年1月期には売上高が225億円、営業利益が10億1,300万円、経常利益が9億6,000万円、当期純利益は6億円を目標としています。
2025年の目標である売上300億円、営業利益20億4,000万円、経常利益19億8,000万円、当期純利益12億3,000万円くらいになれば、だいたい時価総額も(目標に)近づくと思います。どういう経営していくかが結果をもたらすと思いますが、そこからさらに伸びる予定ですので、積極経営を進めてまいりたいと考えています。
世界No1ガーデンカテゴリーカンパニーへ
(最終的な目標は)創業当初から何も変わっていません。「世界No.1 のガーデンライフスタイルカテゴリーカンパニー」です。ガーデンは世界中の文化であり、そして園芸療法も注目されています。「日本ガーデンセラピー協会」というものを作りましたが、健康を作るということが一番です。これ以上医療介護費や保険代を増やすわけにはいかないので、日々の生活で健康を作るための仕組みはすべての業界がますます注目しています。
オープンガーデンとは、認知症で一番大事なコミュニティを作るということです。隣近所の関係を幸せに作るということです。このオープンガーデン的な考え方がスマートタウンや街並みのなかで非常に大事になると思います。信念を持って進めたいと考えています。
以上で説明を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました