2026年7月1日に公開された最新のデータによると、iDeCoの加入者数はついに約398万人(3,980,337人)に達し、単月の新規加入者も約3.8万人(38,727人)に上るなど、関心の高さがはっきりと数字に表れています。

しかし、いざ制度に飛び込んでみたものの「口座は作ったけれど、どの商品を選べばいいかわからない」「投資は怖いから、とりあえず安全そうなものにしておこう」と、実際の運用フェーズで立ち止まってしまう初心者が非常に多いのもまた現実です。

そこで今回は、長期間運用した結果、2026年6月時点で運用資産残高1,700万円を突破(下記画像)したRさん(50代・男性・会社員)に、気になる「iDeCoのリアルな運用実態」をインタビューしました。

【写真4枚】Rさん(50代・男性・会社員)の資産状況。後半ではiDeCoの概要もご紹介1/3

iDeco資産状況の画像

出所:LIMO編集部

1. Q1. iDeCoをはじめたきっかけは?

ー iDeCoをはじめたきっかけは何だったのでしょうか

以前勤務していた金融機関には企業DCの制度があったのですが、その後、転職した会社では企業DCの制度がなく、仕方なくiDeCoに切り替えました。

したがって、先の拠出金累計額は企業DCからの分と、その後にiDeCoでの拠出分が含まれています。

2. Q2.スタートする前に、どのような情報収集をしましたか?

ー iDeCoをスタートする前にどのような情報収集をしていましたか

iDecoを始めるためには、まずどの運営管理機関が良いかを決めなくてはいけません。

運営管理機関を選ぶ上で、運用商品のラインナップを参考にすることも大切ですが、私は維持手数料が安いことを優先して探しました。長期投資になるので、手数料はできるだけ抑えておきたいと考えたためです。

結果、手数料が安いのはやはりネット証券だなと確信したので、ネット証券で口座開設することにしました。

3. Q3. 初期設定時にどのような商品を選定しましたか?

ー はじめに選定した商品を教えてください

実は、最初はiDeCoで運用することは全く考えていなかったので、元本確保型でしばらくそのまま放置していました。

2012年頃iDeCoに移換して2018年までそのままにしていたんです。

自動移換されてしまう前に早くiDeCoを始めたかったのが本音なんです。その頃から運用をスタートしていたら、「長期投資の恩恵をもっと受けることができたのに…」と思う時もあります。

4. Q4.運用を開始してからはどのような運用をしましたか?

iDeCoの特徴を運用にいかす2/3

iDeCoの画像

出所:beeboys/shutterstock.com

ー 2018年頃から運用を開始されてからはどのような運用をしていましたか

私のケースでは、毎月の掛金は制限いっぱいの2万3000円です。

世界株式に投資ができるインデックスファンドとアクティブファンドの両方に大体半分ずつくらい投資をしています。

私は40代なのですが、自分の年齢を考えると、20年以上といった長期で資産ができていればいいと思うので、債券ファンドや債券が組み込まれているバランス型ファンドには興味はないですね。

個人的な意見でいえば、資産形成層は資産を分散しないで株式に集中して資産拡大を狙った方がいいかと思います。

5. Q5. iDeCoでの運用をどのように考えているのでしょうか?

ー iDeCoでの運用をどのようにとらえているか教えてください

iDeCoの制度上では、スイッチングに手数料がかかりません。

そのため、都度、投資信託を入れ替えたり、一時的に運用商品を売却して現金比率(元本確保型の定期など)を増やしています。

ー 現金の確保にはこだわりがあるようですね

資金の現金比率を自在に操ることは、個人投資家の醍醐味です。

ITバブルやリーマンショックなどの歴史的な暴落時には資産価値が半減し得るため、常に市場環境に合わせて現金の割合をコントロールしています。

株価が急落した際には、この現金を使って買い増すという戦略です。iDeCoは枠内での商品の売買(スイッチング)が自由に行えるという利点があるため、相場状況に応じて機動的な運用を実践しています。

6. 【データで見る】加入者の8割が「40代・50代」という現実

今回インタビューに答えていただいたRさんは40代ですが、実はiDeCoの加入者全体を見ても、Rさんと同じ40代・50代が圧倒的な割合を占めています。

アンケート調査に基づく「年齢別比率(下記グラフ)」を見ると、非常に興味深い実態が浮かび上がってきます。

加入者/運用指図者に対するアンケート調査結果3/3

アンケート結果グラフ

出所:国民年金基金連合会「加入者数等について」

確定拠出年金には、毎月掛金を積み立てている「加入者」と、掛金の拠出はせずにこれまでの資産の運用のみを行っている「運用指図者」の2種類がいます。

グラフ上段の「加入者(アクティブに積み立てをして資産形成中の人)」の割合に注目すると、40代(32.0%)と50代(48.7%)を合わせて全体の約8割を占めていることが分かります。

定年やセカンドライフが現実味を帯びてくる40代・50代になってから、「老後資金を作らなければ!」と本腰を入れてiDeCoをスタートさせている層が圧倒的に多いということです。

Rさんが「唯一の後悔」として語っていた通り、老後資産形成は少しでも早く始めて長期投資の恩恵を受けることが成功の鍵となります。もちろん40代・50代からでも遅くはありませんが、もしあなたが20代・30代であれば、今のうちから少しずつでも準備を始めることで、より心強い老後資金を作ることができるはずです。

7. インタビューを終えて

今回は、iDeCoでしっかりと利益を積み上げているRさんのお話と、加入者の最新データをご紹介しました。「運用資産が1,700万円を突破した」というエピソードは、これからiDeCoを始める方や、いま頑張って積み立てている方にとって、とても魅力的でモチベーションの上がるお話だったと思います。

Rさんの運用方針は、ご自身のリスク許容度や、他に持っている資産とのバランスを考え抜いた結果の選択です。どれくらいのリスクを取れるのか、どのようなバランスが心地よいかは人それぞれ異なります。

ぜひ今回のデータやRさんの体験談をヒントにしながら、「自分らしい資産形成」について考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

三石 由佳