株式市場の振り返り-年度内の最終取引日も続落、新興市場の強さが際立つ

2016年3月31日(木)の東京株式市場は3日続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.7%の下落、TOPIXも▲0.6%の下落で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は+0.7%上昇して4日続伸となりました。新興市場の好調が続いています。

日経平均株価は、前日比+118円高で寄り付いた後、間もなく一時17,000円を上回りました。しかし、その後は売りが優勢となり、前日比でマイナスになる場面も見られるなど低調な展開となりました。それでも、後場は前日比プラスで推移していましたが、大引けに掛けて急速に値を下げた結果、終値は前日比▲120円安の16,758円となりました。年度内の最終取引日は、安値引けで終わっています。

東証1部で上昇したのは421銘柄、値下がり1,449銘柄、変わらず76銘柄でした。東証1部の出来高は22億2,549万株、売買代金は2兆3,073億円(概算)となっています。売買代金は昨日に続き2兆円を上回りましたが、まだ薄商いが続いています。

セクター動向と主要銘柄の動き-9業種が上昇、24業種が下落。小売セクターの下落が目立つ。

東証1部で上昇したのは9業種、下落したのは24業種でした。上昇率が高かったのは、銀行+1.4%、鉱業+1.4%、電力・ガス+0.9%、ゴム製品+0.8%などでした。一方、下落率が高かったのは、小売▲2.6%、食品▲2.0%、情報・通信▲1.9%、水産・農林▲1.9%などです。直近好調だった小売セクターに売りが出たことが特徴です。逆に、下落が続いていた鉱業セクターに買いが入ったと見られます。

個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株、東芝(6502)やパナソニック(6752)などのハイテク株の一角が値を上げました。東京電力(9501)などの電力株も好調でした。また、昨日大きく下げたアルプス電気(6770)、村田製作所(6981)、ローム(6963)は小幅の反発に止まっています。一方で、不振が目立ったのが小売株で、ドンキホーテホールディングス(7532)、ケーズホールディングス(8282)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)等が軒並み下落しています。任天堂(7974)、ニコン(7731)、コマツ(6301)なども値を下げました。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-新年度入りした金曜日は思わぬ下方修正に注意

昨日(30日)はFRBイエレン議長に冷や水を浴びせられた東京株式市場は、年度内最終取引日の31日(木)も下落で終わりました。「終わり良ければ総てよし」と喜べなかったのは残念ですが、売買高・売買代金が少しずつ増え始めたこと、大引けに掛けて短期筋の仕掛け的と思われる動きが出たこと等は、良い傾向です。今の株式相場には“刺激”が必要不可欠です。

4月1日(金)から、名実ともに新年度相場に入ります。気分も新たに臨みたいところですが、そろそろ、各社の決算発表や業績修正が増加してきそうです。既に2月期決算企業は本決算発表が始まっていますが、それ以上に気を付けたいのが、3月期決算企業の業績修正です。特に、金曜日は下方修正が出やすい日です。思わぬ下方修正が発表される可能性もありますので、注意したいところです。また、その下方修正後の株価次第では、良き投資機会になることも珍しくありません。

そのような状況下で、注目はやはり小売りセクターです。31日は大引け間際の売りに押されましたが、来週からの大手企業・注目企業の決算発表を控え、様々な思惑が交錯しそうです。また、イエレン議長の発言が円高進行を招き、値を下げた自動車や精密などの輸出関連株のリバウンドにも注目したいと思います。1日は米国の雇用統計発表があるため、東京市場は様子見スタンスが強まると思われますが、同じく31日に下げがきつかった医薬品株も安値で拾うチャンスかもしれません。

【2016年3 月31日 投信1編集部】

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LIMO編集部