給料だけで1億円以上を稼ぐ「サラリーマン億り人」は本当にいるのでしょうか。今回は2026年6月26日に発表された国税庁「令和6年度統計年報」をもとに、彼らの人数や集中するエリアについて解説します。

さらに、世帯年収3000万円超の層が実践している投資の多様化データも紹介します。今の給与からステップアップして、これから効率よく資産を増やしていきたいと考えている方は、ぜひご自身の資産形成のヒントとして参考にしてみてください。

1. 【サラリーマン億り人】全国に約1.1万人!給与だけで1億円以上稼ぐ《都道府県ランキング》

税金の話になると登場する「申告所得税」と「源泉所得税」。簡単に言うと、申告所得税は、個人が1年間の所得を自分で計算し、確定申告をして納める税金です。一方、源泉所得税は、会社が給与や配当などを支払う際に、あらかじめ一定の割合を天引きして代わりに国へ納付する税金です。

まずは、申告所得税から見ていきますが、こちらは事業所得や不動産所得がある人、あるいは給与所得者であっても年間収入が2000万円を超える人や、複数の所得がある人などが確定申告を行って納める所得税です。

国税庁「令和6年度統計年報」を見ると、確定申告をした人で年間所得が1億円を超えている高所得者は、全国で3万8000人存在します。そのうち、給与所得をメインとしている「サラリーマン億り人(年収1億円超の会社員・役員)」は全国に1万1706人存在することがわかりました。日本で年間所得1億円を超える人のうち、約3割が会社員や企業役員など、主に給与所得(役員報酬を含む)としてそれだけの高額な収入を得ていることになります。

1.1 《都道府県ランキング》1位東京は5362人!給与だけで1億円を稼ぐ人はどこに多い?

では、これら1万1706人の「サラリーマン億り人」はどのエリア(都道府県)に住んでいるのでしょうか。

確定申告をした給与所得者のうち、年間所得が1億円を超えている人(申告納税額のある者と還付申告をした者の合計)を都道府県別に集計し、トップ10を出してみました。

  • 第1位:東京都(5362人)
  • 第2位:神奈川県(884人)
  • 第3位:愛知県(768人)
  • 第4位:大阪府(704人)
  • 第5位:兵庫県(509人)
  • 第6位:千葉県(387人)
  • 第7位:埼玉県(377人)
  • 第8位:福岡県(285人)
  • 第9位:北海道(228人)
  • 第10位:静岡県(209人)

※国税庁「令和6年分 申告所得税標本調査」統計表2-2(3)都道府県別の人員(その11)(給与所得者:申告納税額のある者)より、所得2億円以下〜100億円超の各階級の合計人数を算出

ランキングを見ると、日本の経済活動の中心地が明確に浮かび上がります。外資系企業や大企業の本社、上場企業役員などが都市部に密集していることがリアルに読み取れます。

2. 【源泉所得税でみる】総額19.6兆円!6割を占めるサラリーマンの貢献度をみる

源泉所得税とは、給与や配当などの支払者が、支払みの際に一定の税率で天引きして国に納付する所得税です。大半の一般的なサラリーマンは、年末調整によって税金の過不足が精算され、1年間の所得税の納税が完結します。

令和6年分の源泉所得税の総額は約19.6兆円に上りますが、そのうち約60.9%にあたる約12.0兆円が「給与所得」から天引きされた税金です。日本の所得税収においてサラリーマンの給与がいかに大きな柱であるかがわかります。

2.1 東京が約4.9兆円で圧倒的!給与の源泉徴収税額トップ3から経済の集中度を紐解く

次に、会社が国に納めた「給与所得の源泉徴収税額」を都道府県別に見てみましょう。どのエリアの企業が、より多くの給与(とそれに伴う税金)を支払っているのかがわかります。

  • 第1位:東京都(約4兆9565億円)
  • 第2位:大阪府(約1兆787億円)
  • 第3位:愛知県(約7500億円)

全国の給与所得からの源泉徴収税額のうち、東京都だけで圧倒的な割合を占めています。これは、高給与を支払う大企業の本社機能が東京に一極集中していることを如実に表しています。従業員が実際に住んでいる場所にかかわらず、会社(源泉徴収義務者)の所在地としての東京の経済的な強さが浮き彫りになります。