NTT(9432)は、通信大手としての知名度に加え、配当や株主優待の面でも個人投資家から注目を集めやすい銘柄です。

理由のひとつは、株価水準の低さです。2026年6月26日の終値は144.3円で、100株を購入する場合の投資額は1万4430円です。実際には株価変動や売買手数料を考慮する必要がありますが、まとまった資金がなくても単元株を保有しやすい点は、個人投資家にとって大きな特徴です。

一方で、NTTの株主優待は、株を買えばすぐに受け取れるものではありません。dポイントの進呈を受けるには、保有株数、保有期間、株主名簿への記載、エントリー手続きなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

今回の記事では、2026年4月にNTT株を購入したケースを想定し、優待対象になるための必要資金や、dポイント進呈の時期の目安、注意点を整理します。

1. NTTの株主優待は100株以上の保有が前提

NTTの株主優待である「dポイント進呈」の対象になるには、基準日時点で100株以上を保有している必要があります。単元未満株サービスなどを使って1株や10株だけ保有している場合、株主優待の対象にはなりません。

2026年6月26日の終値144.3円で計算すると、100株の購入金額は以下の通りです。

144.3円×100株=1万4430円

株主優待銘柄のなかには、優待を受けるために数十万円以上の資金が必要な銘柄もあります。その点、NTT株は比較的少額から優待対象の株数を保有しやすい銘柄といえるでしょう。

ただし、購入金額が小さいからといって、投資リスクまで小さくなるわけではありません。株価が下がれば評価損が発生します。優待や配当を目的に投資する場合でも、元本保証ではない点は押さえておきたいところです。

2. dポイントは「2年以上3年未満」「5年以上6年未満」の株主が対象

NTTの株主優待では、基準日時点で100株以上を保有し、一定の保有期間に該当する株主にdポイントが進呈されます。

2026年3月31日基準の内容では、対象となる保有期間と進呈ポイントは以下の通りです。

dポイント進呈の条件1/3

dポイント進呈の条件

出所:NTT「株主さまへのdポイント進呈」

・2年以上3年未満:1500ポイント
・5年以上6年未満:3000ポイント

ここで注意したいのは、NTTのdポイント進呈は「毎年もらえる優待」ではないという点です。

たとえば、保有期間が3年以上4年未満の株主や、6年以上保有している株主は、現在の制度ではポイント進呈の対象にはなりません。

また、同一の株主番号で得られるポイントは最大4500ポイントです。2年以上3年未満で1500ポイント、5年以上6年未満で3000ポイントを受け取ると、合計4500ポイントとなります。

3. 2026年4月に買った場合、最初の起算日は2026年6月末が目安

では、2026年4月にNTT株を購入した場合、いつからdポイント進呈の対象になるのでしょうか。

NTTでは、株式購入後に初めて株主名簿に記載された日を保有期間の起算日としています。株主名簿記載の確定は、毎年3月、6月、9月、12月の最終営業日です。

そのため、2026年4月に株式を購入した場合、最初に株主名簿に記載されるタイミングは、2026年6月の最終営業日になると考えられます。

2026年4月に株式を購入した場合2/3

2026年4月に株式を購入した場合

出所:NTT「株主さまへのdポイント進呈」

また、dポイント進呈の基準日は毎年3月31日なので、2年以上3年未満の保有期間に該当するのは2029年3月末です。現在の制度が続いていれば、2029年3月31日基準で1500ポイントの対象となる可能性があります。

さらに同じ株主番号で保有を続けた場合、5年以上6年未満に該当するのは2032年3月末ごろです。この時点で条件を満たしていれば、3000ポイントの対象となる可能性があります。

4. 貸株や証券会社変更で保有期間がリセットされる場合も

長期保有でdポイントを狙う場合、見落としやすいのが株主番号です。

NTTの保有期間は、同一の株主番号で株主名簿に連続して記載されている期間で判定されます。相続・譲渡、貸株の利用、預け入れ証券会社の変更などによって株主番号が変わると、保有期間がリセットされる可能性があります。

つまり、単に「長く持っている」だけでは不十分な場合があります。優待目的で保有するなら、貸株サービスを利用していないか、証券口座の変更で株主番号に影響が出ないかなども確認しておきたいところです。

5. dポイントを受け取るにはエントリーが必要

条件を満たした株主であっても、dポイントは自動的に付与されません。NTTの株主優待では、所定のエントリー手続きが必要です。

2026年度進呈分では、対象株主にログインIDとパスワードが記載された案内が送付され、専用サイトでエントリーする流れになっています。

エントリー期間は2026年5月29日午前8時から2027年3月31日午後9時59分までで、エントリー期間を過ぎるとdポイントの進呈は受けられません。

また、dポイントはdアカウントに進呈されます。dアカウントを持っていない場合は、事前に作成が必要です。

株主関係書類は、株主名簿に登録された住所宛てに送られます。引っ越し後に住所変更をしていない場合などは、必要書類が届かない可能性もあります。優待を確実に受け取るには、保有条件だけでなく、郵送物と手続き期限の管理も重要です。

6. 2026年度の年間配当予想は1株5.4円

NTT株を見る際は、株主優待だけでなく配当も確認しておきたいポイントです。

NTTは2026年度の年間配当について、1株あたり5.4円を予定しています。100株保有している場合、年間配当は税引前で540円です。NTTは2026年度に16期連続の増配を予定していると公表しています。

仮に144.3円で100株を購入した場合、投資額は1万4430円です。年間配当540円を前提にすると、配当利回りは約3.74%となります。

計算式は以下の通りです。

540円÷1万4430円×100=約3.74%

ただし、配当はあくまで会社予想であり、将来も維持・増配されるとは限りません。業績や経営方針によって変更される可能性があります。

また、配当金には原則として税金がかかるため、実際の手取り額は税引前の金額より少なくなります。

7. 少額で買いやすいが、優待だけで判断しない

今回の記事では、2026年4月にNTT株を購入した場合を想定し、株主優待のdポイント進呈条件や、必要資金、受け取り時期の目安を確認しました。

NTT株は、100株でも1万5000円前後から保有しやすく、配当とdポイント優待の両面で個人投資家が注目しやすい銘柄です。

一方で、dポイントは毎年もらえるものではなく、対象となる保有期間も限られています。さらに、エントリー手続きを忘れると、条件を満たしていてもポイントを受け取れない可能性があります。

優待や配当は投資判断の材料になりますが、それだけで購入を決めるのは避けたいところです。株価下落による評価損や、優待制度の変更・廃止リスクもあります。

NTT株を長期保有する場合は、優待内容だけでなく、業績、配当方針、株価水準、制度変更の有無を定期的に確認しながら判断することが大切です。

参考資料