次の年金支給日は2026年8月14日(金)。年金は原則、偶数月の15日(土日祝にあたる場合は前営業日)に、前2カ月分がまとめて振り込まれます。

年金はシニア世代にとって大切な収入源ですが、「年金だけで生活できるのか」と不安を抱える人も多いでしょう。

池田 夕華
厚生年金の平均額は月15万円程度ですが、実際には半数以上の方がその金額に届いていないのが実情です。まずは実際のデータを確認していきましょう。

今回は、厚生年金の平均受給額である「月15万円」を受け取っている人の割合や男女別の受給状況に加え、年金生活を送るシニアの家計収支についても詳しく解説します。

1. この記事の3つのポイント

  •  厚生年金(国民年金部分含む)の平均月額は15万289円だが、「月15万円以上」受給する人は49.8%と半数に満たない
  •  厚生年金の平均月額には男女で5万円以上の差がある(男性16万9967円・女性11万1413円)
  •  65歳以上・無職世帯の家計収支は、単身で約3万円、夫婦のみで約4万2000円の赤字

2. 日本の年金制度は「2階建て構造」が基本

日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造が基本です。

  • 1階・国民年金:原則として日本国内に住む20歳〜60歳未満のすべての人が対象
  • 2階・厚生年金:会社員や公務員などの給与所得者のみが対象

専業主婦や自営業者などは、1階部分の国民年金のみを受け取ります。

対して、会社員や公務員などは、1階部分の国民年金に加えて2階部分の厚生年金も受け取れる仕組みです。

また、将来の年金額を増やしたい場合は、3階部分として国民年金基金や私的年金・企業年金を活用できます。

池田 夕華
国民年金と厚生年金の違いを正しく理解されている方は意外と少ないです。ご自身がどちらの制度に加入しているのか、まずは把握しておくことが年金額を考える第一歩です。

3. 厚生年金の平均月額は約15万円!実際に「月15万円」受給している人は全体の何割?

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は、「15万289円」です。

では、実際に年金を月15万円以上受給している人はどの程度いるのでしょうか。

3.1 【厚生年金】「月15万円」は半数以下

厚生年金の年金月額階級別受給権者数2/5

厚生年金の年金月額階級別受給権者数

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上:1万9283人

受給額が月15万円以上の人は49.8%であり、半数に満たないことがわかりました。

国民年金のみの受給者がいることも考慮すると、年金受給者全体における割合はさらに低くなります。

3.2 【厚生年金】男女別の受給金額の違い

続いて、厚生年金受給額の男女差を確認しましょう。

厚生年金の平均年金月額と階級別受給者数3/5

厚生年金の平均年金月額と階級別受給者数

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

〈厚生年金の男女別平均月額〉

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

データを見ると、厚生年金の男女の平均受給額には5万円以上の差があります。

また、全体の平均月額である約15万円と比較すると、男性の平均は1万9000円以上多いのに対し、女性の平均は3万8000円ほど少ないのが実情です。

ただし、厚生年金の受給額は、現役時代の収入によっても大きく異なります。

ご自身の年金見込額は、ねんきんネットやねんきん定期便などで確認してみましょう。

池田 夕華
投資信託や保険商品のご提案をしていた経験からも、厚生年金だけで安心と考えるのではなく、個人年金保険やiDeCoなど、上乗せの手段を検討される方が増えている印象です。

4. 毎月赤字って本当?年金生活を送るシニア世代の家計事情とは

総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、年金生活を送るシニア世帯では、毎月赤字が出る家計収支が平均的であると示されています。

ここからは、65歳以上・無職世帯の家計収支について見ていきます。

4.1 【単身】65歳以上・無職世帯の家計収支

〈65歳以上・無職の単身世帯〉

  • 実収入:13万1456円(うち年金などの社会保障給付:12万212円)
  • 実消費:16万1435円
  • 差額分(赤字額):2万9980円

※表章単位未満を四捨五入して計算

4.2 【夫婦のみ】65歳以上・無職世帯の家計収支

〈65歳以上・無職の夫婦のみ世帯〉

  • 実収入:25万4395円(うち年金などの社会保障給付:22万8614円)
  • 実消費:29万6829円
  • 差額分(赤字額):4万2434円

※表章単位未満を四捨五入して計算

65歳以上・無職世帯の平均的な家計収支では、単身世帯で毎月約3万円、夫婦のみ世帯で毎月約4万2000円の赤字となることがわかりました。

赤字分は貯蓄を切り崩して対応しなければならず、相応の備えが求められます。

池田 夕華
老後の家計収支を具体的な数字で把握できている方は多くありません。毎月の赤字額を早めに把握しておくことが、老後資金対策の第一歩になります。

5. 老後の資金計画はお早めに

今回は厚生年金受給者について、月15万円以上受給できる人の割合や、受給額の男女差などを紹介しました。

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金のみの受給者の平均年金月額は「5万9310円」です。

国民年金は厚生年金と比較して支給額が少ない傾向にあるため、老後は毎月の赤字幅がより大きくなる可能性もあるでしょう。

ゆとりあるセカンドライフを実現するには、現役時代から将来を見据えた貯蓄計画を立てることが重要です。

まずはご自身の年金見込額を正確に把握し、老後生活について考えてみてはいかがでしょうか。