筆者の夫はハッキリ言って家事育児をしない夫です。もちろん毎日一生懸命に働いてお給料を稼いできてくれているので、共働きの筆者が家事育児の大半を担うことに異存はありません。

しかし、この現状については専業主婦の義母による教育も大きな影響があると思っています。義父は働き詰めで家庭にはノータッチだったため、教育については義母に丸投げしていたようです。そんな義母は基本的に「男は働くから家のことをやらなくてもいい」という教育方針のもと、義姉のことはそれなりに自分のことは自分でできるように育て、夫のことは何でもやってあげていました。

家事育児分担の議論になると、必ずと言っていいほど「夫育てをするのが賢い妻」「夫を上手に誘導すればいい」という意見が出てきます。しかし、本来は夫の親がやるべきだった教育を妻がやらなくてはいけないことの理不尽さは否めません。親なら子どもの教育をするのは当然でしょうが、なぜ他人である夫の教育まで担わなくてはいけないのか…。

筆者の周囲には、「結婚する時に義母から『あの子は何もできないの。息子のお世話をよろしくね』と家政婦扱いされて絶句した」という友達もいます。また、「自分たちがしてこなかった夫の教育を私がするんだから、義両親から養育費をもらいたい」と冗談交じりに言う友達も。

家事育児を当たり前にする男性が増えている一方で、結婚すると自分の身の回りの世話をしてくれる人が母親から妻にスライドするという男性も一定数います。そんな男性の妻が、家事育児分担や夫育ての理不尽さから嫁姑問題にストレスを抱えているケースは少なくないのではないでしょうか。

姑に対する苦手意識の根本にあるものがわかれば対処法も導き出せる?

嫁姑問題と言っても、同居や別居、子どもの有無などそれぞれの家庭の事情があるので一概にこうだとは言えません。しかしその問題の根底には、両者の間に立つべき夫の当事者意識の欠如や家事育児に関する義実家の教育方針などが存在していることも珍しくないのでしょう。

姑へのイライラや苦手意識の本質がわかれば、夫との話し合いや距離の置き方など対処法や折り合いがつく考え方が導き出せ、大きなトラブルが防げるかもしれません。

富士 みやこ