2026年6月、依然として物価上昇の波は続いています。帝国データバンクの調査「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年5月」によると、2026年の食料品値上げは5月時点で6290品目にのぼり、家計への影響は避けられません。
日々の生活費を切り詰めながら、将来の「老後2000万円問題」にも備えなければならない状況に、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。特に、おひとりさま世帯では、すべてを自分で準備する必要があるため、計画的な資産形成がより重要になります。
そこで今回は、単身世帯のリアルな貯蓄事情を年代別に確認します。金融経済教育推進機構の最新データをもとに、平均貯蓄額と、より実態に近いとされる中央値を比較。さらに、着実に資産を築いている人が避けている「NG習慣」についても解説します。
1. 【単身世帯】年代別の平均貯蓄額はいくら?30〜60歳代の中央値も一覧で解説
まずは、金融経済教育推進機構が公表した「2025年家計の金融行動に関する世論調査」のデータから、単身世帯の貯蓄額の実態を見ていきましょう。平均額だけでなく、より実態に近いとされる中央値にも注目です。
1.1 30歳代・単身世帯の貯蓄事情:平均501万円、中央値100万円
- 金融資産非保有:32.3%
- 100万円未満:14.2%
- 100~200万円未満:14.2%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.8%
- 500~700万円未満:5.5%
- 700~1000万円未満:3.1%
- 1000~1500万円未満:5.5%
- 1500~2000万円未満:4.3%
- 2000~3000万円未満:2.5%
- 3000万円以上:3.4%
- 無回答:3.1%
- 平均:501万円
- 中央値:100万円
30歳代単身世帯の平均貯蓄額は501万円、中央値は100万円でした。この結果からは、一部の高額貯蓄者が平均値を引き上げている構図が見て取れます。
詳細データを見ると、貯蓄が100万円に満たない人が14.2%いる一方で、1000万円以上の資産を形成している人も15.7%存在しており、同世代内での資産格差が顕著になっています。
1.2 40歳代・単身世帯の貯蓄事情:平均859万円、中央値100万円
- 金融資産非保有:32.1%
- 100万円未満:15.1%
- 100~200万円未満:7.1%
- 200~300万円未満:5.9%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:1.2%
- 2000~3000万円未満:2.8%
- 3000万円以上:9.9%
- 無回答:2.5%
- 平均:859万円
- 中央値:100万円
40歳代になっても、貯蓄額の中央値は30歳代から横ばいの100万円です。しかし、平均貯蓄額は859万円へと大幅に増加しており、世代内での格差がさらに広がっていることがうかがえます。
貯蓄1000万円以上の割合は約2割に達し、5人に1人が大台を突破している計算です。その一方で、金融資産を全く保有していない人も約3割を占めています。
1.3 50歳代・単身世帯の貯蓄事情:平均999万円、中央値120万円
- 金融資産非保有:35.2%
- 100万円未満:10.1%
- 100~200万円未満:7.4%
- 200~300万円未満:4.6%
- 300~400万円未満:2.7%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1000万円未満:4.6%
- 1000~1500万円未満:6.0%
- 1500~2000万円未満:3.3%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:10.4%
- 無回答:1.9%
- 平均:999万円
- 中央値:120万円
50歳代になると中央値は120万円へと少し上昇し、平均貯蓄額は999万円と1000万円に迫ります。
老後を見据えて資産形成が進む人がいる一方で、金融資産を保有していない人の割合は35.2%と、全世代で最も高くなっています。
1.4 60歳代・単身世帯の貯蓄事情:平均1364万円、中央値300万円
- 金融資産非保有:30.4%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:4.3%
- 200~300万円未満:2.4%
- 300~400万円未満:4.5%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.0%
- 700~1000万円未満:4.8%
- 1000~1500万円未満:8.1%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:5.5%
- 3000万円以上:15.6%
- 無回答:2.2%
- 平均:1364万円
- 中央値:300万円
60歳代では中央値が300万円へと大きく上昇します。これは、退職金の受給や親からの相続などが資産額を押し上げる要因と考えられます。
平均貯蓄額も1364万円と最も高くなりますが、金融資産非保有者と100万円未満の人を合わせると約4割にのぼり、老後生活への備えに大きな差があることがわかります。
多くの場合、年金の受給が始まるのは65歳からです。この年齢を一つの区切りとして、そこから逆算した資金計画を立てることが重要になるでしょう。
2. 貯蓄上手な人が絶対にやらない「5つのNG習慣」とは?
これまでのデータで、同じ年代でも貯蓄額には大きな個人差があることが明らかになりました。
では、着実に資産を増やしている人は、どのようなことを意識しているのでしょうか。ここからは、貯蓄上手な人が避けている5つの習慣を、具体的な場面に分けて見ていきます。
2.1 NG習慣1【買い物編】目的のない「何となく消費」
「休日だからとりあえず外食」「暇つぶしにカフェへ」といった、明確な目的のない「何となく」の支出はありませんか。あるいは、流行っているからという理由だけでサブスクリプションサービスに加入していないでしょうか。
着実に資産を築く人は、ATM手数料のような少額の出費にも気を配ります。無駄な支出を避け、使うべきところにお金を集中させたり、資産運用に資金を回したりと、お金の使い道を真剣に考えています。
まずは、日々の生活から「何となく」の消費をなくし、そのお金を何に使うべきか見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。
2.2 NG習慣2【家計管理編】収支を把握しない「どんぶり勘定」
毎月の収入と支出を、大まかにしか把握していない「どんぶり勘定」になっていませんか。
家計簿アプリなどを活用して収支を「見える化」すれば、「なぜかお金が貯まらない」という状況の原因がはっきりとします。原因がわかれば、「何を節約すべきか」「どのような生活を目指すか」といった具体的な目標設定が可能になります。
支出項目には住居費や通信費といった固定費から食費などの変動費まで様々ですが、特に固定費の見直しは節約効果が高いとされています。まずは支出を可視化し、削減できる項目がないか検討してみましょう。
2.3 NG習慣3【貯蓄方法編】給料日に実践したい「先取り貯蓄」の逆
「余ったら貯蓄しよう」と考えていると、ついお金を使いすぎてしまい、月末には貯める分が残らない、という事態に陥りがちです。
貯蓄ができる人は、給料が入ったらまず貯蓄分を確保し、残ったお金で生活する「先取り貯蓄」を徹底しています。
多くの金融機関が提供している「自動積立定期預金」のようなサービスを利用すれば、意思の力に頼らずとも、自動的にお金を貯める仕組みを作ることができます。まずはこうした仕組みを活用することから始めてみるのも一つの手です。
2.4 NG習慣4【資産運用編】情報収集を怠り機会を逃す
新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)など、資産形成を後押しする制度が整ってきていますが、「難しそう」「損をするのが怖い」といった理由で、詳しく調べることさえしていない方も少なくありません。
もちろん資産運用にはリスクが伴いますが、お金に働いてもらうことで、効率的に資産を増やす可能性があります。
貯蓄上手な人は、こうした新しい制度に関する情報を積極的に収集します。その上でメリット・デメリットを比較検討し、自身のリスク許容度の範囲内で行動に移しています。まずは先入観を捨て、情報を知ることから始めてみることが大切です。
2.5 NG習慣5【老後計画編】具体的なシミュレーションを避ける
「将来が何となく不安」と感じていても、具体的な行動に移せていない人は多いものです。しかし、着実にお金を貯めている人は、より具体的なシミュレーションを行っています。
例えば、「ねんきんネット」で将来の年金受給見込み額を確認し、想定される老後の生活費と照らし合わせて不足額を試算します。そして、その不足額を補うために「いつまでに、いくらを、どのような方法で積み立てるか」という具体的な計画を立てるのです。
シミュレーションをすることで、漠然とした不安が明確な目標に変わり、貯蓄へのモチベーションも維持しやすくなります。まずは一度、ご自身の将来の収支を試算してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
