2. 控除額10万円を例に解説。所得層で変わる3つの支援パターン
※金額は仕組みを分かりやすく説明するための、仮の数字(シミュレーション)です。
2.1 パターン1:中・高所得層の場合
所得税の納税額が、定められた控除額よりも多い層がこのパターンに当てはまります。
- 所得税の納税額:30万円(控除額10万円を超えるケース)
- 適用内容:控除額である10万円の全額が税額控除となり、納税額から直接差し引かれます。
- メリット:実際の納税額は20万円まで減額され、税の負担が軽減されます。
2.2 パターン2:低所得層の場合
所得税の納税額が、設定された控除額に届かない層が対象となります。
- 所得税の納税額:8万円(控除額10万円未満のケース)
- 適用内容:まず納税額の8万円分が減税されて納税は不要になります。その上で、控除しきれなかった差額の2万円が現金で支給されます。
- メリット:所得税を支払う必要がなくなるだけでなく、2万円の現金を直接受け取ることが可能です。
2.3 パターン3:非課税世帯の場合
所得が基準に満たず、所得税の納税義務がない非課税世帯がこのパターンに該当します。
- 所得税の納税額:0円のケース
- 適用内容:所得税を納付していないため税額控除の対象にはならず、控除額の10万円が全額現金として支給されます。
- メリット:これまでの減税策では支援の対象外だった世帯にも、直接的な経済支援が行き渡るようになります。
※2026年6月時点では、控除額などの具体的な内容はまだ確定していません。また、令和11年度の本格導入にあたっては配偶者の所得や被扶養者の情報把握なども必要となるため、実際の支援額は所得や家族構成によって変わる可能性があります。
3. まとめ
「給付付き税額控除」の基本的な考え方を維持しながら、「給付への一本化」という現実的な形でスタートする新制度。令和11年度(2029年度)の本格導入を目指し議論が進んでいます。
本格導入に向けたスケジュールや支援額の詳細について、今後の動きが注目されます。
参考資料
- 内閣官房「給付付き税額控除等に関する実務者会議(第15回) 議事次第 」
- 内閣官房「中間とりまとめに向けた議論の整理(給付付き税額控除)」
- 内閣官房「給付付き税額控除の制度設計に向けて」
- 財務省「資料(諸外国の制度について)」
- 厚生労働省「給付付き税額控除の概要(例)」
- 国税庁「給付付き税額控除制度の執行上の課題について」
和田 直子
