5. まとめ:生涯の介護費は「2,300万円」!? 元気なうちから老後の防御策を
夏のボーナスが支給され、少し家計にゆとりが生まれるこの時期は、ご自身の長期的なマネープランを見直すのに最適なタイミングです。
今回は「平均年収600万円で40年勤務」という、比較的恵まれたモデルケースで年金額を試算しましたが、それでも税金などを引かれた「手取り額」だけでは、毎月の平均的な生活費に不足が生じる実態が見えてきました。
筆者が母の看取りを通して強く感じたのは、「健康な時の資金シミュレーションは、介護や病気が始まるととたんに通用しなくなる」という事実です。
「LIFULL 介護」が2026年6月に発表した最新の試算データによると、老人ホームに入居した場合、生涯で必要となる介護費用は一人あたりおよそ「2300万円」にも上るとされています(在宅介護1年+有料老人ホーム5年を想定した場合の総額)。
しかし同調査では、親世代の約6割が「介護費用を備えていない」と回答しています。入居後に想定外の追加費用に苦しむ可能性もあるでしょう。
筆者が母の看取りを通して強く感じたのは、「健康な時の資金シミュレーションは、介護や病気が始まると途端に通用しなくなる」という事実です。
日々の生活費の赤字に加え、将来必ず訪れる何千万円規模の「医療費・介護費」への備えがなければ、老後の家計は簡単にショートしてしまいます。
日々の生活費の赤字に加え、将来必ず訪れる医療費や介護費への備えがなければ、老後の家計は簡単にショートします。
自分の年金見込額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
まずは自分の現在地を正しく把握し、不足分をどう補うか——長く働く、ボーナスの一部をNISAやiDeCoに回して計画的に資産形成をするなど、元気なうちから“自分ごと”として戦略を練り始めることが、将来の最大の防御になるでしょう。
参考資料
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年2月12日更新)
監修者
LIMO編集部年金解説班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
LIMO編集部年金解説班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2026年6月17日)