頭が痛く、昼間にうっかり眠ってしまった日のことです。

玄関のカギはきちんと閉めていたのに、当時5歳だった息子が小銭を握りしめてカギを開け、家から数メートルのところにある自動販売機でジュースを購入してきたことがありました。

本当にゾッとしましたが、どうやって自動販売機のジュースを購入したのかも気になりました。とても背が低かった息子は、どう背伸びをしても自動販売機のボタンを押すことはできなかったからです。

事情を聞いてみると、ボタンが届かず泣いていた息子に、トビ職風(服装などを子供に尋ねて推測)の若いお兄さんが「何が欲しい?」と声をかけ、抱っこをしてボタンを押すのを手伝ってくれたそうです。

息子が大きくなったいまも、息子・筆者ともに昨日のことのように思い出し、とても感謝しています。

若者の親切心を無にしてしまう大人の行動

ケガ人を装ってわいせつ行為をする卑劣な大人

29歳の男がケガ人を装って倒れ込み、介抱しようとした女子高生などに抱きついたり、下着の中に手を入れたりするなど、わいせつな行為をした事件があったといいます。容疑者の男性もギリギリ若い世代と呼ばれる年齢かもしれませんが、このような行為は助けようとした若い人の親切心を踏みにじるものです。

親切心を仇で返すような大人にはそれ相応の罰が必要だと思いますし、若い人たちが理不尽なことに巻き込まれていないか、目を光らせておく必要もありそうです。

「ありがとう」と言えない残念な大人

中学生がバスで席を譲ろうとしたところ、「ふざけるな」と怒鳴られたばかりか、嫌味まで言われてしまったというニュースもありました。これは朝日新聞に届いた投書について伝えられたものですが、バスや電車で席を譲ろうとして怒られたり嫌味を言われたりするケースは、意外と身近にあります。

筆者の息子が電車に乗って塾へ向かう途中、お年寄りの人が乗ってきたため席を譲ろうとしたところ「まだ、そんな年じゃない!」と不機嫌そうに言い放たれたようで、塾から帰って来るなり、「もう、絶対に席は譲らない!」と泣きじゃくっていました。

また、ママ友の子供さんも同じような体験をしたそうで、意外と子供たちの親切心を削ぐような対応をする大人が多いことに愕然としています。

子供たちを含む若い世代の人たちがしてくれた親切に甘え、「ありがとう」とお礼を伝えることも、一人前の若者を育てるために最低限必要な大人のマナーと言えるのではないでしょうか。

おわりに

ニュースやインターネットでは、若い世代の人たちの残念な情報を目にする機会が多く、つい「最近の若者は…」と言ってしまう人も少なくないようです。しかし、今回の記事で紹介したように、若い世代の人たちの親切な行動も少なくありません。

若者の親切心を無にする世の中の事件や対応も多いため、「最近の若者は…」と言う前にまず、若い世代を育てる私たち自身が行動を振り返り、若い世代に恥じない振る舞いを心がけたいものです。

【参考】
けが人装い介抱した女性にわいせつ行為の男を逮捕(exciteニュース)
席譲ったら「ふざけるな」と激怒される 「モンスター老人」巡る投書が大反響(J-CASTニュース)

山内 良子