この記事の読みどころ
1月に急落した日本の株式市場は2月前半に再度急落し、2月後半に持ち直した後は横ばいで推移しました。
海外投資家は1月に1兆円売り越しましたが、2月はそれを大きく上回る2兆円を売り越しました。
これに対して信託銀行、個人、事業法人、投資信託の買い越しが目立ちます。株価のさらなる上昇には海外投資家と投資信託の動向に注目です。
2月の海外投資家の売り越し額は1月の売り越し額の2倍に膨らんだ
日本取引所グループの月次データによると、2016年2月の海外投資家の日本株現物の売買は差引約2兆円の売り越しでした。年初2か月累計で3兆円の売り越しというのはかなりのペースです。週別に見ても1月第1週以来、8週連続の売り越しです。
日銀が1月末にマイナス金利を導入しましたが、今のところ、海外投資家に評価されているとは言えないのでしょう。もちろん、米国が利上げの方向にあること、新興国や資源価格に不安が残るなど、全体としてリスクを抑制する世界的な流れに日本の市場も無縁ではなかったと言えそうです。
信託銀行、個人、事業法人、投資信託が逆張りで買いに出た
これに対し、買い手として目立ったのは引き続き信託銀行と個人でした。それぞれ月間で約1兆円、約3千億円の買い越しでした。さらに、事業法人約3千億円と投資信託約2千億円の買い越しが続きます。
1月の急落では個人が買い手として出動しましたが、2月の2度目の急落でやや買い余力が削がれたようです。それを補ったのが信託銀行、事業法人の自社株買いと投資信託の買いでした。
株価反騰には海外投資家と個人の動きが重要
信託銀行と事業法人の自社株買いは、株価下落の際に活発化すると思われます。今後株価が上昇軌道に入るには、売り越しが続く海外投資家がいつ買い越しに戻るのか、そして個人が株式と投資信託をうまく使い分けて買いを入れてくるかがカギを握りそうです。
【2016年3月7日 投信1編集部】
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LIMO編集部