全身の中でもっとも強くて大きい筋肉である大腿四頭筋は、ひざを伸ばす筋肉で、立つ、歩くなど下半身運動のかなめです。腸腰筋は足を前に振り出す働きに加え、骨盤を前傾させ姿勢を保持する働きがあります。
この部位の柔軟性を高めることで期待できる効果は次の通りです。
- 腰痛の改善
- ひざが伸び、下半身が安定する
- ランニングの歩幅が広がる
- 足を高く振り上げられる
- ボールを遠くへ早く蹴れる
まずは<脳科学アプローチ>のエクササイズから。
これは筋肉を強く収縮させた後に弛緩させることで運動系の神経を刺激し、短時間で筋肉や関節が本来有する可動域を覚醒させるPNFという手法をベースにしています。
道具は身近なもので代用できます
続いて、<筋膜アプローチ>です。
筋膜とは、筋肉全体を覆うボディスーツのような薄い皮。可動域を広げるには筋膜の歪みを解消し、筋肉が正しく動けるようにすることが重要です。ここでは、短時間で筋膜の歪みを解消する専用の道具を使用しています。身近な道具で代用することもできるので、手元にない場合は身の回りのものが使えないか工夫してみてください。
「マッサージスティック」はラップの硬い芯、「フォームローラー」はビール瓶やバスタオルを丸めたものなどでも代用できます。
これらのストレッチは、いきなり行うのではなく、体が温まっているお風呂あがりに準備運動をしてから行うのがオススメです。
また、ペアストレッチでは、3つの点に注意してください。
1.反動をつけないこと
文字であらわすならば、「ギュッギュッギュッ」ではなく、「ギューーーーーー」です。
2.相手の反応を常に確認すること
「まだ大丈夫?」「もう少しいけそう?」と相手に確認しながら進めてください。
3.冷たい手で触らないこと
冷たい手で触ると筋肉が収縮して逆効果になります。
このほか、さまざまなストレッチ法や憧れのポーズの練習方法などは、著書『自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ』(かんき出版)に詳しくまとめていますので、そちらもぜひ参考にしてください。
健康のために、またはスポーツパフォーマンス向上のために、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてくださいね。
村山 巧