6月に入り、梅雨の気配を感じる季節になりました。
2026年度の公的年金額は、物価や賃金の変動を反映し、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げとなることが決定しています。
しかし、将来の年金受給額は現役時代の働き方によって大きく異なり、一概にはいえません。
実際の平均月額を見ると、厚生年金が約15万円、国民年金は約5万9000円と、その差は歴然です。
さらに、2026年4月からは、働きながら年金を受け取る「在職老齢年金」の基準額が65万円に引き上げられるなど、シニア世代の働き方にも影響する制度改正が控えています。
この記事では、複雑に感じる年金の仕組みや、最新の受給額の目安について、分かりやすく解説していきます。
1. 国民年金と厚生年金の役割とは?老齢・障害・遺族を支える3つの保障機能
日本の公的年金制度は、老後の生活を支える老齢年金だけではありません。
病気やケガによって仕事や生活に支障が出た場合に受け取れる「障害年金」もその一つです。
また、家計を支えていた方が亡くなった際に、遺された家族の生活を保障する「遺族年金」という機能も備わっています。
これら3つの保障が、私たちの生活を守るセーフティネットとして機能しているのです。
多くの方が「年金」と聞くと、リタイア後に受け取る「老齢年金」を思い浮かべるかもしれませんが、実際にはより広い範囲をカバーしています。
1.1 日本の年金制度の基本「国民年金+厚生年金」の2階建て構造を解説
日本の公的年金は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。
この構造は、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と、その上に乗る2階部分の「厚生年金」で構成されています。
現役時代にどのような働き方をしてきたかが、将来受け取る年金の額に直接的な影響をおよぼす仕組みになっています。
ここでは、「国民年金」と「厚生年金」の基本的な仕組みと、それぞれの「老齢年金受給額」について確認していきましょう。
1.2 【1階部分】国民年金(基礎年金)の概要
加入対象者
- 日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての方が、職業や国籍に関わらず原則として加入します。
年金保険料
- 加入者全員が同じ金額を負担しますが、保険料は年度ごとに見直されます(※1)。
老齢年金の受給額
- 保険料の納付期間が全期間(480カ月)に達した場合、65歳から満額(※2)の老齢基礎年金を受け取ることができます。
※1 国民年金保険料は、2026年度において月額1万7920円です。
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額は、2026年度において月額7万608円です。
1.3 【2階部分】厚生年金の概要
加入対象者
- 会社員や公務員として働く方のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の条件を満たす方が国民年金に上乗せして加入します。
年金保険料
- 保険料は収入に応じて変動しますが、上限が設けられています(※4)。
老齢年金の受給額
- 受給額は、加入していた期間や納めてきた保険料の額によって個人差が生じます。
このように、国民年金と厚生年金とでは、加入対象者、保険料の決定方法、老齢年金額の計算方法などが異なっています。
そのため、現役時代の年金加入履歴によって、実際に受け取る老齢年金額には、必然的に個人差が生まれるのです。
※3 特定適用事業所とは、1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者や共済組合員は除く)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。
1.4 【2026年】年金支給日カレンダー一覧
公的年金は、原則として偶数月の15日(※5)に、直前の2カ月分がまとめて支給される後払い方式です。
2026年の年金支給日と、その対象となる期間は以下の通りです。
- 2026年2月13日(金):2025年12月分と2026年1月分
- 2026年4月15日(水):2月分と3月分
- 2026年6月15日(月):4月分と5月分
- 2026年8月14日(金):6月分と7月分
- 2026年10月15日(木):8月分と9月分
- 2026年12月15日(火):10月分と11月分
※5 支給日である15日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されます。

