2. 厚生年金と国民年金の平均年金月額はいくら?6月から2026年度の年金が受け取れる

60歳代は、年金の受け取りが現実味を帯びてくる年代です。実際に受け取れる金額は加入状況によって変わりますが、まずは全体の平均額を知っておくと、これからの家計設計の目安になります。

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、平均年金月額(老齢年金)は次のようになっています。

  • 国民年金(老齢基礎年金):全体5万9310円(男性6万1595円/女性5万7582円)
  • 厚生年金(老齢厚生年金):全体15万289円(男性16万9967円/女性11万1413円)※国民年金分を含む

同じ年代でも、加入していた制度や働き方によって金額は大きく変わります。とくに女性は、厚生年金でも平均が男性より低い傾向がみられます。平均はあくまで目安として受け止めたい数字です。

また、年金額は毎年度改定され6月支給分から2026年度の年金額となります。

2026年度は前年に比べ、国民年金は1.9%、厚生年金は2.0%増額となりました。しかし今年に入っても物価上昇は続いているため、家計管理や資産形成を考えることは引き続き重要です。

3. 年金と貯蓄、どう組み合わせて考える?

公的年金は、老後の暮らしを支える土台です。とはいえ平均額を見るかぎり、年金だけでゆとりある生活をまかなうのは簡単ではないこともわかります。そこで、これまで築いた貯蓄と年金をどう組み合わせるかがポイントになります。意識しておきたいのは、次の3つです。

1.【受け取れる年金額を確認する】「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分の年金見込み額を把握しておきましょう。この際、税金や社会保険料の天引きも想定しておきましょう。

2.【取り崩しの計画を立てる】年金で足りない分を貯蓄からどのくらい補うか、無理のないペースをあらかじめ考えておきましょう。不足する場合には家計や貯蓄方法などを見直してみましょう。

3.【一部は長期の運用も検討】使う予定のないお金は、新NISAなど税制優遇のある制度を活用する方法もあります。ただし元本割れの可能性があり、年齢や暮らしなどの状況によっても向き不向きがあるため、自身のリスク許容度を考えた上で慎重に検討しましょう。

4. まとめにかえて

60歳代二人以上世帯の貯蓄は、平均2683万円に対して中央値は1400万円と開きがありました。年金月額も、国民年金で平均5万9310円、厚生年金で15万289円。どの数字も個人差が大きく、平均はあくまで全体像をつかむための目安にすぎません。

大切なのは、世間の平均と自分を比べて落ち込むことではなく、受け取れる年金の見込みと手元の貯蓄を「自分の数字」としてつかみ、両者をどう組み合わせるかを考えることです。値上げが続く今こそ、年金と家計を一度ふり返るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子