株式市場の振り返り-日経平均株価は5日ぶり反発、3連休を控えて模様眺めムード強まる

2019年8月8日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,593円(+76円、+0.4%) 5日ぶり反発
  • TOPIX 1,498.6(▲1.2、▲0.1%) 小反落
  • 東証マザーズ株価指数 876.0(+3.5、+0.4%) 3日続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,088、値下がり銘柄数:962、変わらず:99
  • 値上がり業種数:14、値下がり業種数:19
  • 年初来高値更新銘柄数:41、年初来安値更新銘柄数:80

東証1部の出来高は11億8,706万株、売買代金は2兆878億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。決算発表もピークを過ぎ、週末の3連休を控えて模様眺めムードが強まりました。売買代金はかろうじて2兆円を維持しましたが、約1週間ぶりの厳しい薄商いとなっています。

そのような中、日経平均株価はやや方向感の乏しい展開となりました。前場の半ばに一時▲53円安まで下落し、下値を模索する動きが強まったものの、前場の終盤に一時+165円高まで急反発する場面が見られました。その後はやや膠着状態となりながら、上げ幅を徐々に縮小して引けています。結局、5日ぶりの反発となりましたが、自律反発の域を抜け出せない上昇に止まったと言えましょう。

なお、TOPIXも同じような値動きとなりましたが、最後はマイナス圏に沈む小反落となりました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への買戻しが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ株価指数は3日続伸、売買代金は3日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,481万株、売買代金738億円となり、いずれも前日より増加しました。ただ、極端に薄商いだった前日よりは増えたものの、個人投資家の物色意欲が停滞しており、売買代金は3日連続で1,000億円を下回っています。

一方、株価指数は小幅上昇となり、これで3日続伸となりました。それでも900ポイント回復はまだ遠い印象です。

ソフトバンクGが大幅安で5日続落、通信子会社のソフトバンクは公開価格の到達目前に

個別銘柄では、前日に好決算を発表したソフトバンクグループ(9984)が材料出尽くし感から大幅安となり、これで5日続落となりました。

一方、昨年12月に史上最大規模のIPOという触れ込みで上場しながら株価低迷が続いた通信子会社のソフトバンク(9434)は、大きく値を上げて年初来高値を更新しています。終値(1,492円)は公開価格1,500円まであと8円に迫っています。

その他では、オリエンタルランド(4661)が連日の上場来高値更新となり、終値はついに15,000円を超えました。また、医薬品株では第一三共(4568)も大幅高で上場来高値更新となったのが目を引きました。

さらに、前日発表したQ1決算実績が最終赤字に転落したIHI(7013)が▲14%安に迫る暴落で年初来安値更新となったことも注目を集めたと見られます。

新興市場(東証マザーズ)では、手間いらず(2477)が急騰として年初来高値を更新し、メルカリ(4385)も値を上げて公開価格に迫りました。一方、ブライトパス・バイオ(4594)が大幅安となり、ロコンド(3558)は年初来安値更新となっています。

葛西 裕一