2. 老後の「厚生年金と国民年金」の平均年金月額はいくら?

では、老後の生活の柱である公的年金はどれくらい貰えるのでしょうか。

公的年金の支給額は、物価や現役世代の賃金の変動を考慮して毎年度改定されます。2026年度については、法律の規定に基づき、前年度から国民年金(老齢基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の増額となりました。具体的な年金額は以下です。

2.1 2026年度の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額):1人あたり月額7万608円
    • ※昭和31年4月1日以前に生まれた方の満額は、月額7万408円(前年度比+1300円)です。

  • 厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含むモデルケース):月額23万7279円
    • ※夫が平均的な収入(賞与込みの月額換算で45万5000円)で40年間厚生年金に加入し、妻がその期間すべて国民年金の第3号被保険者であった場合のモデル世帯の給付水準です。

このモデルケースでは夫婦2人分の年金として月額約23万円台が支給される計算ですが、実際の受給額は個人の加入履歴によって異なります。

また、2026年度は「マクロ経済スライド」が発動されたことにより、物価の上昇率ほどには増えておらず、実質的な価値は目減りしています。

物価上昇のペースに年金の改定が追いついていないため、年金以外の資産で生活費を補う準備が重要になるといえるでしょう。

3. いま自分ができる対策を考えよう

今回ご紹介した平均や中央値は、あくまで全体の目安です。適切な貯蓄額は、収入や家族構成、住んでいる地域によっても変わります。「平均より少ないから」とあわてる必要はありませんが、家計を見直すきっかけにはなるでしょう。

貯蓄の計画を立てる際には、具体的な老後資金を見える化してから計画を立てることも有効です。

老後に必要なお金は老後の柱である公的年金額を基本として、自分たちで備える分をどれくらい上乗せするかという見方をするとイメージしやすくいでしょう。年金見込み受給額は「ねんきんネット」で確認できます。

大きな金額を貯めるには、長期的なシミュレーションも大切です。

たとえば毎月3万円を20年間続けると、積み立てる元本は720万円です。教育費や住宅ローンと並行して備えるのは簡単ではありませんが、時間をかけてコツコツ貯めていくことが大切でしょう。

またリスクがありますが、一部で運用をする方法として、新NISA制度のつみたて投資枠やiDeCo(個人型確定拠出年金)など、長期・積立・分散の考え方に沿った税制優遇のある制度を活用する方法もあります。

ただし元本割れのリスクがあるのでしっかりと情報収集を行いましょう。

大切なのは、他人と比べることよりも、自分の家庭に必要な金額を把握し、無理のない範囲で備えていくことではないでしょうか。

まずは家計の現状を「見える化」することからはじめてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子