たとえば、夫は「銀行預金は利息がつかないから投資したい」妻は「元本割れのリスクがあるから投資はしたくない」という意見の食い違いから大げんかに発展するケースもあるでしょう。この問題はそれぞれの言い分もありますし、どちらが正しいということもなく、まさに「価値観のズレ」です。

頭ごなしに「絶対にイヤ!」と相手の意見を聞かないと関係は悪化してしまいますので、このようなケースでは毎月貯金する金額の○%は投資に使うなど妥協点を見つけられると良いかもしれませんね。

老後資金を貯めるために協力できるパートナーになれるか

老後に必要な生活資金は、現役時代(退職直前)の生活費の7割が目安と言われます。たとえば、夫婦2人の退職直前の生活費の7割分が25万円と仮定すると、60歳の定年退職後から年金がもらえる65歳までの5年間だけで25万円×12カ月×5年間=1500万円が最低でも必要になります。

また、厚生労働省が発表しているモデル世帯(夫は平均賃金で40年勤務、妻はその間専業主婦)の場合、2018年度の標準的な厚生年金額は1か月22万1277円です。上記のケースでは1カ月の生活費に約3万円足りないので、年金の受給が始まる65歳から85歳まで20年間なら720万円、95歳まで長生きした場合は1080万円を追加で用意しなくてはいけません。

つまり85歳まで生きるとすると、1500万円+720万円=2220万円を生活費として用意しなくてはならず、旅行費や冠婚葬祭費分もと考えると、さらに上乗せして備える必要があります。

このように老後資金だけでもかなりの額になりますし、子供の教育費やマイホーム代を捻出するとなると夫婦2人で協力してお金を貯めていかなければ賄えないでしょう。たとえば、妻が仕事に出るのであれば夫は家事や育児を手伝ったり、節約するために妻が服や美容院代を我慢するのであれば夫もタバコやお酒などを控えるなどという協力が重要になります。

老後の生活で困窮するようなことがないように、お金の話はオープンに話し合い、どうやって貯めるか、どうやって節約するかをきちんと話し合える関係でいられるのが理想です。

おわりに

育ってきた環境や価値観が違えば、金銭感覚のズレが生まれるのは仕方がないことです。しかし、そんな時にうまく話し合いをして、協力しながら問題を乗り越えることができるパートナーでないと結婚後にストレスを抱えてしまうことに。結婚前には仕事に対してモチベーションが高く、話し合いができる相手かをよく見極めて、結婚後はお互いに歩み寄りながら金銭感覚のズレを埋める努力ができるといいですね。

LIMO編集部