2. なぜ「一律現金給付」ではなく「給付付き税額控除」が注目されるのか
「給付付き税額控除」が注目を集める理由として、大きく2つのポイントが挙げられます。
2.1 注目される理由1:低所得層にも支援を届けやすい仕組みだから
所得税の減税は、基本的に税金を納めている人を対象とする制度のため、所得が少なく税負担が軽い人や、非課税世帯には十分な恩恵が届きにくいという課題がありました。
結果として、支援を必要とする層が対象外になってしまうケースもあったのです。
こうした課題に対応する仕組みとして注目されているのが「給付付き税額控除」です。
税額控除で差し引けなかった分を現金として支給するため、納税額がない世帯であっても支援を受けられます。
従来の減税制度ではカバーしきれなかった低所得層にも支援が届く点が、大きな特徴です。
2.2 注目される理由2:消費税の「逆進性」をやわらげる効果が期待されるから
消費税は所得に関係なく同じ税率が適用されるため、所得が低いほど家計に占める税負担の割合が重くなります。
この特徴は「逆進性」と呼ばれ、不公平感につながる要因のひとつとされています。
たとえば、年収300万円の人が生活費として100万円を使った場合、消費税は10万円です。
同じ10万円でも、年収1000万円の人と比べると、生活への負担感は大きくなります。
給付付き税額控除は、現金給付によってこの負担を補う仕組みです。
低所得層に対して支援金を支給することで、消費税による負担を実質的に軽減し、手元に残るお金を増やす効果が期待されています。
また、この制度には税の再分配機能を強める役割もあります。
著者
ファイナンシャルアドバイザー/一種外務員資格(証券外務員一種)/TLC(生保協会認定FP)
ファイナンシャルアドバイザー。一種外務員資格(証券外務員一種)、TLC(生保協会認定FP)、その他資格保有。大阪の摂南大学を卒業後にブレイクダンスインストラクターという異色の経歴を持つ。その後、ジブラルタ生命保険に入社しルーキーながら受賞歴多数。特に地域のお客様を中心に資産運用、介護などについて幅広いお金の問題解決に従事していた。現在は金融IT企業で個人向け資産運用コンサルティング業務を行う。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。沖縄県沖縄市出身。
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)