子育ての仕方は子どもの性格や各家庭の方針などで変わるので、一概に何が正解とは言えません。ただ、人に迷惑をかけてしまうような子育ての仕方は考えものです。しつけに対してはいろんな考え方がありますが、どんな方法が良いのでしょうか。また、よその子の態度や行動が気になったときは口出しをしても良いのでしょうか。

子どもがしつけを守れるようになるには時間がかかる

核家族でワンオペ育児が増えている現代社会は、母親に育児の責任が集中しやすく、子育てへのプレッシャーも大きくなっています。また、狭いコミュニティ内で周りと比べすぎてしまうと「自分の子どもだけできない、成長が遅い」と落ち込んでしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもがしつけを守れるようになるためには、「脳の機能、身体機能、基本的信頼感、経験」が十分に成長し、満たされる必要があるとされます。子どもは何百回と教えてもらい、何十回と失敗を重ね、心身の成長とともに少しずつできるようになるもの。そのため、子どもなりに自分で納得し、教えられたことを積極的に実行しようとする気持ちや機能が熟してくるのを待つことも大切なのです。

「叱らない子育て」に周りが困惑

とはいっても、最近さまざまなメディアなどでも紹介されている「叱らない子育て」に遭遇してモヤモヤを感じる人も少なくないのではないでしょうか。

上記の通り、子どもがしつけを守れるようになるには時間がかかり、すぐに守れないのは仕方がないこと。しかし、友だちのおもちゃは平気で奪うし、気に入らないことがあると叩くわ蹴るわという子どもに対して「子どもだからしょうがない」と注意もしない親も存在するようです。

また、「叱らない子育て」を提唱している大手幼児教室で、子どもが他の子を叩いても「遊びたいだけだよねー」という言い方をするように推奨され、少し違和感を感じたという人もいます。

叱らない子育てとは「自由奔放に育てることである」と勘違いした親が子供をわがままにしてしまうと、周りが迷惑を被ることになりかねません。本来、叱らない子育てとは「子どもが好ましくない言動を行ったとき、カッとする気持ちをおさえて冷静になる」ことであり、全く注意しないというのは違うのではないでしょうか。

子どもの言いなりになったり、子どもが何をしても許したりするのではなく、「ダメなことはダメ」だとしっかり伝えることは親の役目です。さもなければ、なんでも自分のしたいことができると勘違いした問題児であふれてしまいかねません。

よその家の教育方針には口が出しづらい