貯蓄をさらに増やしたい人は、「資産運用」もひとつの有効な手段です。日本銀行の低金利政策が長引くなか、従来のような定期預金による貯蓄額アップはほとんど期待できない状況が続いています。

ひと口に資産運用と言っても、株式や不動産投資、個人向け国債や社債、投資信託や仮想通貨など様々なバリエーションがあります。それぞれに特徴があり、ハイリスクでもハイリターンを狙うのか、ローリスク・ローリターンで長期的に運用したいのかなどによっても選ぶべき方法は変わってきます。資産運用を検討する際の重要なポイントを2つご紹介します。

(1)「分散投資」を意識しよう

どんな資産運用を選ぶ場合でも、「分散投資」は基本です。リスクを分散しておけば一部で損が出ても、全体で見ると損をカバーしやすくなるためです。

ただし、株式投資の場合は通常1銘柄を購入するのに数10万円程度かかるので、分散投資をするためには多額の運用資金が必要になります。

一方で、少額でも分散投資しやすいのが「投資信託」です。これは少額の運用資金を多くの人から集め、プロが分散投資をする運用方法なので、自分で運用するほどの十分な知識がない場合はとくにおすすめです。ただし、投資信託は基本的に手数料が発生するため、利益より手数料のほうが高くなってしまうケースもありえる、という点には注意が必要です。

(2)「最適な投資」はライフステージでも変わる

最適な資産運用の方法は、ライフステージによっても異なります。40代なら定年までに20年程度残されているため、ある程度の損失が出てもカバーできる可能性が十分にあります。積極的な資産運用でお金を増やすことも検討してみましょう。

一方、定年が間近に迫った世代では、安全な資産管理が求められます。ライフステージ・目的・運用に回せる資産額などを考慮しながら、自分に合った資産運用の方法を選んでみてください。

まとめ

支出や負債が多くなりがちな、40代。きたる消費税アップにも備え、キャッシュレス決済のメリットや資産運用の方法などについての金融リテラシーを高めながら、自分に合った貯蓄方法を見極めていきましょう。

【参考】
『家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)』総務省統計局
『キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019』JCB
『キャッシュレス・ビジョン』経済産業省

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部