おそらく「育児が大変」アピールをして、「私が一番しんどい」とマウントをとりたがるママは、「自分の頑張りを認めてほしい」と思っているのかもしれません。
また、「こんなに大変な育児をしているのは自分だけなのでは」「ここまで頑張っている人はそうそういないだろう」という意識もあるため、他の人のちょっとした「しんどかった」「大変だった」という言葉に敏感に反応し、「そんなの全然大変じゃない!自分の方がもっともっと大変なんだから!」という気持ちになるのではないでしょうか。
確かに子育て中のしんどさや苦労って、なかなか報われるものではないですし(子どもの成長を感じたり、子どものふとした言動に癒されたり、という瞬間はありますが)、「これだけ頑張った、これだけ働いた」と結果が目に見えるわけでもありません。
子育てで「しんどいな」「辛いな」と感じるポイントは人それぞれのはず。「夜がなかなか眠れないのが辛い」と思う人もあれば、「子どもが構って構って、と言うのでなかなかひとりの時間が取れない」と思う人もいるでしょう。
いずれにせよ、自分が辛いときに「他のお母さんたちも頑張っているんだ」と思って自分で自分を励ましこそすれ、「自分が世界一しんどくて、辛い母親だ」と考えるのはよろしくありません。
しかし、世の中には、「自分だけが大変なんだから、自分だけが愚痴る権利がある」とばかりに、大変アピールしてくる人も一定数いるのです。そんな人と同じ土俵に立つ必要はありません。「そうだね、大変だね」と話を上手く合わせておいて、その人には二度と不用意な発言はすまい、と心にとどめておけばいいのです。
褒めてほしいわけではないのに
「~なことがあって大変だった」というのは、何も「だから頑張ったね、ってねぎらってね」と言っているわけではないのに、と思ってしまいますよね。
でも、大変アピールするママは違うのです。心のどこかで自分が認められていない、という不満を抱えているのでしょう。
それが頻繁に続くようなら、黙ってその人から離れるのもひとつの方法。大変な子育て、できるだけストレスフリーで過ごしたいものです。
大中 千景