2024年に開始した新NISAをきっかけとして、積立投資を始めようと考えている人も多いのではないでしょうか。

「オルカン」と「S&P500」は積立投資の定番とも言えるファンドですが、それぞれで投資先やリスクの取り方が異なります。

今回は「オルカン」と「S&P500」の商品概要や過去の運用実績のほか、新NISAで「月3万・5万・10万」を積立投資した場合のシミュレーション結果などを紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1. 「オルカン」と「S&P500」はどう違う?それぞれの特徴を解説

「オルカン」と「S&P500」はどちらも人気が高いファンドですが、それぞれ特徴やリスクが異なります。

投資先の選択に迷っている人は、まずは「どのような市場を対象とした商品であるか」を把握するところからスタートしましょう。

ここでは、「オルカン」と「S&P500」の商品概要について解説します。

1.1 「オルカン」は世界中の株式に幅広く投資

オルカンは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称です。

日本を含む先進国・新興国の株式市場に連動した投資成果を目指し、世界中の銘柄に投資しているのが特徴です。

投資先が分散されていることから、特定の地域において経済悪化が見られた場合でも、他の地域の成長により値下がりを緩和できる可能性があります。

組入上位10ヶ国は、以下のとおりです。

〈組入上位10ヶ国〉

  • アメリカ:61.7%
  • 日本:5.1%
  • イギリス:3.4%
  • カナダ:3.1%
  • 台湾:2.6%
  • フランス:2.2%
  • スイス:2.1%
  • ドイツ:2.0%
  • 韓国:1.8%
  • ケイマン諸島:1.6%

※2026年3月31日時点

上記の構成比率は世界経済の変化に応じて自動的に調整されるため、ご自身で投資先のバランスを見直す必要はありません。

オルカンは、リスクを分散しながら安定的な運用を目指したい人に向いているといえるでしょう。

1.2 「S&P500」は米国約500社に投資

「S&P500」は、米国の株式市場を代表する株価指数のひとつです。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、S&P500の値動きに連動する投資成果を目指した運用商品です。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、このS&P500指数への連動を目指して運用される投資信託です。米国株式を投資対象としており、米国株式市場全体の値動きに応じて基準価額が変動します。

組入上位10銘柄は、以下のとおりです。

  • NVIDIA CORP(半導体・半導体製造装置):7.3%
  • APPLE INC(テクノロジ・ハードウェア・機器):6.6%
  • MICROSOFT CORP(ソフトウェア・サービス):4.8%
  • AMAZON.COM INC(一般消費財・サービス流通・小売り):3.6%
  • ALPHABET INC-CL A(メディア・娯楽):2.9%
  • BROADCOM INC(半導体・半導体製造装置):2.5%
  • ALPHABET INC-CL C(メディア・娯楽):2.3%
  • META PLATFORMS INC-CLASS A(メディア・娯楽):2.1%
  • TESLA INC(自動車・自動車部品):1.8%
  • BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B(金融サービス):1.6%

※2026年3月31日時点

値動きが大きい運用商品に抵抗がなく、安定性よりも高いリターンを期待する人に向いているでしょう。

2. 【積立投資】「オルカン」と「S&P500」どっちがいいの?過去の運用実績をチェック

ここからは、「オルカン」と「S&P500」の運用実績を比較しましょう。

2.1 「オルカン」の過去の運用実績

三菱UFJアセットマネジメントの運用レポートによると、「オルカン」の運用実績は以下のとおりです。

〈2026年5月1日現在の運用実績〉

  • 直近1ヶ月:+8.53%
  • 直近3ヶ月:+5.08%
  • 直近6ヶ月:+9.66%
  • 直近1年:+44.16%
  • 直近3年:+98.22%
  • 直近5年:+140.26%
  • 設定来:+255.39% ※設定日:2018年10月31日

2.2 「S&P500」の過去の運用実績

続いて、「S&P500」の運用実績は以下のとおりです。

S&P500の騰落率(分配金再投資)2/3

S&P500の騰落率(分配金再投資)

出所:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」

〈2026年5月1日現在の運用実績〉

  • 直近1ヶ月:+9.27%
  • 直近3ヶ月:+5.38%
  • 直近6ヶ月:+7.62%
  • 直近1年:+43.63%
  • 直近3年:+105.36%
  • 直近5年:+163.76%
  • 設定来:+315.53% ※設定日:2018年7月3日

2.3 「オルカン」と「S&P500」の運用実績を比較

両ファンドともに運用実績は好調であり、直近1年では40%以上のリターンを上げています。

設定来を比較すると、オルカンは255.39%(設定日:2018年10月31日)、S&P500は+315.53%(設定日:2018年7月3日)です。

設定日が異なるため単純に比較することはできないものの、現時点の設定来リターンはS&Pが大幅に上回る結果となりました。

両ファンドは、投資対象にも違いがあります。各商品の投資対象や運用方針、リスクなどを確認したうえで、自身の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。

3. 【積立投資】NISAでシミュレーション!「月3万・5万・10万」の3パターンを比較

本章では、NISAの「つみたて投資枠」を利用して、「月3万・5万・10万」のそれぞれを20年間積立投資した場合のシミュレーション結果を紹介します。

運用利回りを「年率5%・6%・7%」の3パターンで比較した結果は、以下のとおりです。

20年間の積立投資シミュレーション3/3

20年間の積立投資シミュレーション

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」の試算結果をもとに筆者作成

※シミュレーションには金融庁の「つみたてシミュレーター」を利用

積立投資では、利益を元本に組み込んで運用する「複利」の効果が資産を増やすカギとなります。

長く継続するほど運用益も大きくなるため、長期間の投資を前提として始めるのが成功のポイントです。

上記のシミュレーションでは、月5万円・10万円を20年間積み立てした場合、運用益は数千万単位にものぼることがわかりました。

先に紹介した「オルカン」と「S&P500」の運用実績を見ると、シミュレーション結果のような利益の確保も十分に期待できるでしょう。

ただし、シミュレーションはあくまでも年率を固定して試算した結果です。

実際の利回りは市場の影響を受けて常に変動するため、思うような成果が得られないケースもあります。

4. おわりに

オルカンとS&P500は、どちらも長期的な投資によって成果を上げるのに向いている投資信託です。

シミュレーションでも確認した通り、積立投資は長期間継続するほど運用益が大きくなりやすいです。

これから積立投資を始める人は、長期的な運用を前提として、無理のない積立金額を設定しましょう。

また、投資信託は元本割れのリスクを伴う金融商品です。

メリットとともにリスクについてもしっかりと理解したうえで、目的やリスク許容度に合ったファンドを選択しましょう。

参考資料

池田 夕華