ただし、ここで覚悟しないといけないのは、もう定期預金の金利が4~5%になるようなことはないということです。悲しいですが、理由は前述の通りです。

そうなると、どうすればよいかです。漫然と金利のつかない預金にお金を放置しておくか、何か行動を起こすべきか…。

一つのアドバイスとしては、徹底的にリスク回避しながらコンマ以下%の違いにこだわるということです。定期預金金利は各行とも大差はありませんが、メガバンクとインターネットバンクの預金金利を比べると、後者の方が数十倍高いこともあります。

預ける金額にもよりますが、利便性も金利も高い銀行があれば、長い目で見れば時間も節約になります。目安としては、まずATM利用料がフリーになる程度の取引を行いましょう。預金以外はもっての外という方は、好む好まざるにかかわらず“コンマ以下%”作戦を遂行するしかありません。

一方、投資を通じた資産形成にご興味がある方は、グローバルに物事を考えてはどうでしょうか。やり方によっては年間リターン4~5%を達成することも不可能ではありません。その際、ぜひ理解していただきたいのは、そうしたリターンは1ヵ月や2ヵ月では達成不可能ということ。できれば30年程度の時間を味方につけないと、いわゆる“2000万円問題”の克服は難しいでしょう。

筆者は数年以上のスパンで、いわゆるグローバル分散投資で年4%程度のリターンを上げましたが(本当は何十年か運用したかったのですが、事情がありこの投資は解約しました)、令和時代の資産形成はコンマ以下%にこだわるか、グローバルにいくか、はたまた両方求めるかしか方法がありません。

異論百出は覚悟ですが、これが資産運用業界で35年飯を食ってきた実感です(笑)。

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太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)