株式市場の振り返り-薄商いの中で日経平均株価は3日続伸、依然として膠着状態
2019年7月25日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,756円(+46円、+0.2%) 3日続伸
- TOPIX 1,577.8(+2.7、+0.2%) 3日続伸
- 東証マザーズ株価指数 896.7(+5.1、+0.6%) 3日続伸
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,404、値下がり銘柄数:642、変わらず:104
- 値上がり業種数:19、値下がり業種数:14
- 年初来高値更新銘柄数:76、年初来安値更新銘柄数:18
東証1部の出来高は9億8,670万株、売買代金は1兆8,239億円(概算)となり、いずれも概ね前日並みでした。特段目立ったニュースもない中で、様子見スタンスが継続されました。前日から始まったQ1決算発表後の銘柄に対する売買が増えたものの、その商いも限定的だったようです。
売買代金は5日連続で2兆円を下回り、出来高は4日連続の10億円株割れとなりました。
そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移しましたが、前日に続いて狭いレンジ内に留まりました。寄り付き直後には一時+6円高と伸び悩みましたが、その直後に一時+113円高まで上昇する場面が見られました。後場は前日同様に膠着状態となりましたが、最後までプラス圏をキープして3日続伸で引けています。
ちなみに、日中の値幅(高値と安値の差)は約108円となり、前日の約68円よりは拡大しましたが、引き続き狭いレンジに止まっています。
なお、TOPIXも同じような値動きで3日続伸となりました。
東証マザーズ株価指数は3日続伸、売買代金は7日連続で1,000億円を割り込む
東証マザーズの出来高は3,632万株、売買代金は588億円となり、前日より減少しました。売買代金は7日連続で1,000億円を下回り今年最低を記録しました。また、出来高も昨年11月27日以来となる4,000万株割れの閑散相場となっています。
ただ、株価指数は3日続伸となりました。依然として900ポイントが壁となっていますが、今後の展開は引き続き個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。
アドバンテストがストップ高の大爆騰、トヨタ自動車は連日で年初来高値を更新
個別銘柄では、前日から本格的に始まったQ1決算を受けた大きな値動きが目立ちました。まず、アドバンテスト(6857)が、Q1実績は減益だったのものの、通期会社予想の据え置きを好感した増額期待などから大爆騰となり、結局+20%超高のストップ高で引けました。これは2007年9月以来、約11年10カ月ぶりの高値更新です。
また、同じ半導体関連株やハイテク株では、前日に決算発表を行った信越化学工業(4063)が一時+8%高に迫る急騰(年初来高値を更新)、大幅減益だった日本電産(6594)も一時+6%高に迫る急騰となっています。
その他でQ1決算発表ではない銘柄では、トヨタ自動車(7203)が堅調に推移して連日の年初来高値更新となり、東京エレクトロン(8035)やリクルートホールディングス(6098)も高値更新となったのが目を引きました。
なお、昨年12月に史上最大のIPOとして新規上場となったソフトバンク(9434)が値を上げて年初来高値を更新(これは上場来高値を意味します)しましたが、依然として公開価格割れとなっています。ちなみに、親会社のソフトバンクグループ(9984)は5日続伸でした。
一方、通期業績予想を引き下げたキヤノン(7751)が大幅安となり、Q1実績で営業利益▲9割減の三菱自動車(7211)が一時▲6%安に迫る急落となりました。また、大幅減益と人員削減計画が明らかとなった日産自動車(7201)も一時▲4%超安の大幅下落となり、同じ自動車株ではスズキ(7269)も大きく値を下げています。
新興市場(東証マザーズ)では、メルカリ(4385)などが値を上げましたが、記録的な薄商いの影響からか、全体的に目立った値動きは見られませんでした。
葛西 裕一