続いて、具体的なお金の使い道もみていきましょう。ソニー生命保険㈱は、50~70代の男女1,000人に『シニアの生活意識調査2018』を実施しました。なお、そのうち孫がいる男女は1,000人中337人となっています。

この調査の結果、1年間で孫のために使ったお金の項目は以下の通りとなりました。(複数回答可)

1位:「おこづかい・お年玉・お祝い金」(75.1%)、
2位:「一緒に外食」(53.1%)
3位:「おもちゃ・ゲーム」(41.2%)
4位:「衣類・ファッション」(32.0%)
5位:「一緒に旅行・レジャー」(30.0%)

お年玉やお祝いとして現金での出費があるほか、孫を含めた外食代などのお金がかさむケースが多いようです。

孫のために使った金額(1年)は「5万円~10万円未満」(21.8%)がもっとも多い回答となっており、平均金額は12万8269円です。17年より1万2210円高くなっています。

老後の資金も確保しておかなければならない祖父母世代にとって、このような出費は決して楽観視できるものではないといえるでしょう。

体力面の負担も

祖父母たちは育児の経験者とはいえ、若い頃と同じ体力があるわけではありません。なかには、孫と接するうちに体力的な負担を感じる人もいるようです。その本音を聞いてみましょう。

・「育児をフォローしてあげたい気持ちがある一方、孫といると体力がもちません。遊びに来てくれて嬉しいけれど、ちょっと辛い…という気持ちもあります」

・「『2人目が生まれるから』という理由で上の子の相手をすることに。しかし、公園に連れていくのが非常にハードでした。せめて、そこだけでも両親にやってほしかったです」

母親にとっての子どもの世話は日常的なことでも、祖父母にとってはハードな時間。「外遊びは私がするから、家の中での相手だけお願いしてもいい?」など、事前に話し合っておくといいでしょう。

子どもにとっての祖父母を考える

祖父母たちの本音を聞くと、「子どもとの関わりを減らした方がいいのかな」と感じてしまうかもしれません。しかし、「子どもにとっての祖父母の存在」も考えておきたいところ。

子どもから見れば、祖父母は両親とは別の大切な存在。親よりもちょっと甘かったり、優しい言葉をかけてもらったり、ときには人生の先輩としてのアドバイスをもらったり。そんな関わり方をしてくれる祖父母は、不思議でもあり貴重な人となるでしょう。

人生100年時代…これからは「教育じいじ」の活躍に期待!?

『シニアの生活意識調査2018』において、「孫の勉強の世話(勉強を教えること)をしたいか、したくないか」との問いに対して、「世話をしたい」が28.8%、「世話をしたくない」が48.1%となっています。

このうち女性の「世話をしたい」が22.3%であるのに対し、男性の「世話をしたい」は36.1%となっています。

今の子どもの勉強は昔と異なる点も多く、親からしたら心配な面もあると思います。

しかし、そこを学びなおすつもりで「孫の勉強をみたい!」と思ってもらえるのは、共働き世帯が多くなっている忙しい子育て世代にとっては、嬉しいものです。

「いや、うちは塾に行かせるから必要ない」という家庭もあると思います。

祖父母と話し合いながら、祖父母が疲れず、子どもの成長にもっともよい影響を与える関わり方を見つけていきたいですね。

まとめ

祖父母たちが「いつでも遊びに来ていいからね」「なんでも欲しいものを買ってあげるわよ」といっていたとしても、実は孫疲れでヘトヘトになっているかもしれません。

本音としては、「買ってあげたいけれど金銭的負担が辛い」「遊んであげたいけれど、長時間はしんどい」といったところなのでしょう。

とはいえ、孫に対する愛情は本物のはず。祖父母と子どもの良好な関係を維持するためにも、過度な負担を背負わせないように配慮しておきたいですね。

【参考】
『平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果』内閣府
『シニアの生活意識調査2018』ソニー生命

LIMO編集部