株式市場の振り返り-薄商いの中で日経平均株価は続伸するものの、膠着状態が続く
2019年7月24日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 21,709円(+88円、+0.4%) 続伸
- TOPIX 1,575.0(+6.2、+0.4%) 続伸
- 東証マザーズ株価指数 891.5(+0.03、+0.00%) かろうじて続伸
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,199、値下がり銘柄数:837、変わらず:114
- 値上がり業種数:23、値下がり業種数:10
- 年初来高値更新銘柄数:48、年初来安値更新銘柄数:21
東証1部の出来高は9億9,505万株、売買代金は1兆8,437億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。前日に続いて米中貿易摩擦問題にやや進展が見られたニュースがあったものの、基本的には材料不足の展開でした。さらに、24日から始まるQ1決算発表を控えて模様眺めムードが継続されたようです。
前日より商いは増えましたが、売買代金は4日連続で2兆円を下回り、出来高は3日連続の10億円株割れとなりました。
そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移しましたが、狭いレンジ内に留まりました。前場の序盤に一時+124円高まで上昇しましたが、大引け直前に一時+56円高まで上げ幅を縮小する場面がありました。
結局、続伸となりましたが、日中の値幅(高値と安値の差)は約68円という狭いレンジとなる膠着状態だったようです。
なお、TOPIXも同じような値動きで続伸となりました。
東証マザーズ株価指数はほぼ横ばい、売買代金は6日連続で1,000億円を下回る
東証マザーズの出来高は4,274万株、売買代金743億円となり、概ね前日並みでした。売買代金は6日連続で1,000億円を下回るなど、個人投資家の物色意欲が大きくトーンダウンしている状況に変わりはないようです。
なお、株価指数はごくわずかに上昇しましたが、ほぼ横ばいで引けています。依然として900ポイントが壁となっていますが、今後の展開は引き続き個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。
アドバンテストが約11年7カ月ぶりの高値更新、トヨタ自動車も再び年初来高値を更新
個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)が値を上げて4日続伸となり、リクルートホールディングス(6098)は連日で年初来高値を更新しました。
また、ハイテク株では半導体関連株を中心に買い戻しが優勢となり、村田製作所(6981)、ローム(6963)、アルプスアルパイン(6770)、SUMCO(3436)などがいずれも大幅高となり、ルネサスエレクトロニクス(6723)は一時+9%高に迫る急騰となっています。
さらに、半導体製造装置メーカーのアドバンテスト(6857)も大幅上昇となり、年初来高値を更新して約11年7カ月ぶりの高値を記録しました。
その他では、自動車株で孤軍奮闘のトヨタ自動車(7203)が大きく値を上げ、再び年初来高値更新となったのが目を引きました。なお、収益体質再構築に向けて全世界で1万人の人員削減を行うという観測ニュースが流れた日産自動車(7201)は小幅高で引けています。
一方、アステラス製薬(4503)や塩野義製薬(4507)など医薬品株が総じて軟調に推移し、しまむら(8227)が一時▲4%安に迫るなど小売株にも売りが目立ちました。
また、一連の不祥事(傘下かんぽ生命の不適切販売問題)で批判されている日本郵政(6178)は3日連続の上場来安値更新こそなかったものの、10日続落で引けています。
その他では、東京電力ホールディングス(9501)が連日の年初来安値更新となり、中部電力(9502)もザラバで安値を付けたのが注目を集めました。
新興市場(東証マザーズ)では、モルフォ(3653)が急騰し、ウォンテッドリー(3991)も大幅高となりました。一方、CYBERDYNE(7779)が値を下げ、シルバーライフ(9262)は反落しています。
葛西 裕一