2. 富裕層はなぜ増えた?背景にある複数の要因

ここ10年ほどで日本の富裕層が増加している背景には、複数の要因が重なっています。

その背景として大きいのが、株式や投資信託などの金融資産の価格上昇です。

こうしたリスク資産を保有していた世帯ほど、相場上昇の恩恵を受けやすく、結果として資産を大きく伸ばしてきました。

さらに、相続によってまとまった資産を引き継ぎ、新たに富裕層へと移行するケースも増えています。

加えて近年は、資産形成のハードルが下がったことも影響しています。

NISA制度の普及などを背景に、長期的な資産運用を続けた結果、本人の自覚がないまま富裕層の基準に達する「いつの間にか富裕層」が増加しています。

また、共働きで安定した収入を確保しながら資産を積み上げ、50歳前後で富裕層に到達する「スーパーパワーファミリー」と呼ばれる世帯も一定数見られます。

このように、富裕層は特別な存在ではなく、誰にとっても現実的に到達し得るものへと変化しつつあります。

では実際に、日本全体ではどの程度の資産を保有している人が多いのでしょうか。

次章では、年代別の平均貯蓄額と中央値に注目しながら、資産の実態をより具体的に見ていきます。