4月から新生活がスタートし、一人暮らしを始めた人の中には「電子レンジ」を毎日使用している人が多いと思います。

そんな電子レンジの使用方法について、独立行政法人国民生活センターは、「電子レンジによる事故を防止!使い方を再チェックしませんか?」と題した注意喚起を実例とともに公開しています。

この記事では、電子レンジによる事故を防止するためにも、正しい利用方法などを紹介します。

また記事中では、消費者庁による令和7年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。

※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。

1. 電子レンジにおけるトラブル事例を紹介

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電子レンジトラブル

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電子レンジは、冷凍食品の解凍や温め、時短調理の用途から本格的な調理までさまざまな場面で使用されています。

現在では、単機能電子レンジのほか、電子レンジにオーブンの機能を組み合わせたオーブンレンジ、過熱水蒸気を利用したものなど、さまざまなタイプの商品が販売され人気です。

電子レンジは火を使わない調理器として便利ですが、庫内の汚れや加熱のしすぎ、誤った使用などが原因で発煙・発火といった事故につながることがあります。

PIO-NETによると、電子レンジを使用中の事故(発煙、発火、誤使用によるものなど)に関する相談が、2020年4月から2025年12月までの5年9カ月の間に521件、毎年80~100件程度寄せられています。

ここからは、国民生活センターに寄せられたトラブル事例を紹介します。

2. 電子レンジに関するトラブルと、実験結果を紹介

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電子レンジトラブル

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電子レンジに関して、寄せられているトラブルの相談事例を見ていきましょう。

【事例1】
「冷凍食品のピラフを電子レンジで温めていたら袋の端が燃え出した。直ぐに消したので大事には至らなかったが情報提供する(2025年8月受付、60歳代、男性)」

【事例2】
「電子レンジの加熱し過ぎでサツマイモから発火、ドアを開けず鎮火を待った。焦げたのは芋だけだったのでレンジは今後も使えるか(2025年4月受付、50歳代、女性)」

【事例3】
「レンジでレトルト食品の温めを食品の表示通りしなかった。温めだすとレンジ内で発火したがすぐに対処した。これで大丈夫か(2024年12月受付、20歳代、女性)」

【事例4】
「電子レンジでゆで卵が作れる作成器を使用したが、卵が庫内で破裂し、電子レンジが壊れた。情報提供しておきたい(2024年8月受付、60歳代、女性)」

【事例5】
「家電量販店で購入した電子レンジでとろみのあるスープ等を温めると庫内で爆発する。電子レンジに問題有りではないか(2024年7月受付、50歳代、女性)」

【事例6】
「2日前電子レンジであんまんを温めていたら突然発火。温め過ぎると固くなるとは表示されているが、発火の記載はない(2024年1月受付、40歳代、男性)」

など、さまざまな相談が寄せられています。これらの相談を基に、国民生活センターは実験を行い、次のような結果を報告しています。

3. 実際の電子レンジ事故の事例

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電子レンジトラブル

New Africa/shutterstock.com

国民生活センターは実験を行い、以下のような結果を報告しています。

  • 加熱しすぎると食品が発煙・発火し、爆発的に燃焼するなど危険な状態がみられました。
     
  • パッケージに記載された調理方法を守らないと、発煙・発火といった事故につながる恐れがありました。
     
  • 尖っている部分や角が多い食品を少量、高出力で加熱すると、エッジランナウェイ現象により加熱しすぎたつもりはなくても、食品に焦げが発生しました。
     
  • マイクロ波の出口カバーに汚れ(食品カス等)が付着したまま加熱すると、その部分にマイクロ波が集中し、発煙・発火することがありました。
     
  • 飲み物を加熱しすぎると、突然、爆発的に噴き出したり、沸騰が落ち着いたように見えても、外部からの刺激がきっかけとなり再び大きく泡立つ、突沸現象がみられました。
     
  • 卵を電子レンジにかけると、勢いよく破裂する様子が確認されました。電子レンジの種類によってはヒーター管を破損したり、庫外で破裂するとやけどを負う危険性がありました。
     
  • 電子体温計を電子レンジにかけると、加熱直後からバチバチという異音とともに火花が発生し、発煙・発火するとともに、庫内は煤だらけになりました。
     
  • 電子レンジの取扱説明書を確認すると、電子レンジ加熱の際に注意すべきことやお手入れに関する注意が記載されていました。

これらの実験結果を踏まえ、次のページでは国民生活センターから報告された、消費者へのアドバイスの代表例を紹介します。

4. 電子レンジを使用する際の注意点を国民生活センターが発表

消費者から寄せられたトラブルを基に、国民生活センターが実験を行い検証結果を発表しました。そして、以下のような注意喚起を行っています。

  • パッケージやレシピに記載された加熱時間の目安を参考に、食品の加熱のしすぎに注意しましょう。
     
  • 容器によっては電子レンジで使用できないものもあります。また、加熱モード(レンジ、オーブン、グリル)により、その種類も変わります。取扱説明書をよく確認しましょう。
     
  • こまめに庫内の手入れを行い、庫内は清潔な状態を保ちましょう。
     
  • 調理以外の目的には使用しないようにしましょう。
     
  • 万一、庫内で発煙・発火したときは、動作を停止させて電源プラグを抜き、扉を開けずに煙や火が収まるのを待ちましょう。

電子レンジの庫内はターンテーブル式とフラットテーブル式があり、また加熱の仕方や使用方法もさまざまです。

きちんと説明書を読んで理解してから使用する必要があり、なれるまでは加熱時間を控えめに設定し、様子を見ながら加熱する必要があります。

思わぬ火災を起こす危険があるので、家にある電子レンジの説明書をもう一度よく確認して、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

5. 2024年の消費者トラブルによる被害額は9兆円という結果に

日々消費活動を行うみなさんにとって、決して遭いたくないトラブルが「消費者トラブル」。

しかし、2025年6月に公表された令和7年版「消費者白書」によると、2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9兆円にのぼることがわかりました。

消費者被害・トラブル額の推計結果(新手法による算出)5/6

消費者白書

出所:消費者庁「令和7年版消費者白書」

なお、2020年からの推移は下記のとおりです。

5.1 消費者被害・トラブル額の推計結果(既支払額・信用供与を含む。)

  • 2020年:約3.6兆円
  • 2021年:約5.6兆円
  • 2022年:約6.0兆円
  • 2023年:約7.9兆円
  • 2024年:約9.0兆円

2024年の金額が近年最高額となっていることがわかりました。

なお、既支払額(信用供与を含む)ベースでの消費者被害・トラブル額の推定額は約9.0兆円ですが、この数字には誤差が含まれており、同基準の消費者被害・トラブル額は95%の確率で8.5~9.6兆円の幅の中にあると推定されています。

また推計結果の推移をみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費の落ち込みの影響が考えられる2020年の約3.6兆円を除いて、だいたい5兆円から6兆円で推移していました。しかし、近年は増加傾向にあることが見て取れます。

また、消費者被害・トラブル額の推計結果の算出方法には、新手法と旧手法の2種類があります。

同白書によると、「旧手法」では、消費者生活相談情報(PIO-NETデータ)に含まれる、1億円以上の極端に高額な案件も推計に含められていました。そのため、発生自体が稀な高額案件が、推計全体に実態以上に大きな影響を与える可能性がありました。

そこで「新手法」では、消費者被害・トラブル額の推計は、1億円未満のデータに基づき行うこととし、相談案件が1億円以上のトラブルについては、推計には含めず、件数と総額を推計値に併記する形を取っています。

この新しい手法により、ごく一部の極端なデータが推計全体に影響を与えることを防ぎ、また実態により即した推計となりました。

なお、旧手法による2024年の消費者被害の推計額(既支払額)は9.6兆円と、新手法よりも金額が多くなっていることがわかります。

消費者被害・トラブル額の推計結果(旧手法による算出)6/6

消費者白書

出所:消費者庁「令和7年版消費者白書」

いずれにしても、最新の数字で9兆円にのぼる莫大な金額が被害・トラブル額として推計されている現在、消費者庁は誇大広告や偽表示を行う通販業者への行政処分、SNS広告による詐欺的副業の注意喚起など、迅速な対応を取っています。

参考資料

LIMO編集部