では、実際に「転職」が必要だと感じた場合、どのような点を検討するといいのでしょうか。

まず転職においては、必ずしもすべてが希望どおりに進むとは限らないことを心得ておきましょう。「転職エージェントからの情報と実情がかなり違っていた」「転職先で希望の仕事に就けなかった」「年収は上がっても、前の会社のほうが実は伸びしろがあった」等々と後悔する可能性もあります。

また、どれだけやる気に満ちていても、新しい職場で労働条件に合致する成績を出せなかったり、年収が下がってしまったりする可能性も考えられます。

そうした状況をできるだけ避けるためには、客観的な目で転職先の情報や自分の経験・スキルを判断しておくのが最善。今の職場にとどまることで積める経験・実績も加味し、「転職をしない」選択肢も残しながら、十分な検討を進めていきましょう。

年収アップが叶いやすい転職年齢は?

一方で、年収がアップするなど、満足度の高い転職が実現しているケースもあります。

転職情報サイト「doda(デューダ)」の調査(期間:2013年1月~14年6月、対象者:「DODAエージェントサービス」を利用し転職した人。そのうち、転職前の年収が300万円以上で年収アップ額上位6000人を「年収アップ成功者」として集計)によれば、転職による報酬アップ率は20代後半〜30代前半あたりが最も高く、年収アップ成功者が最も多いのは「28歳」となっています。業種別の平均でも、専門商社、人材サービス、金融関連などで平均して15%ほどアップしています。

会社を辞めるのには勇気も準備も必要ですし、ノルマや残業の負担が大きい企業ほど「辞めにくい」と感じることもあるでしょう。

しかし、ひとつの企業にこだわりすぎることで失うチャンスもありますし、理想とするキャリアプランを実現するためには、決断が必要な折もあります。とくに人材難で売り手市場の今は、挑戦すべきタイミングと言えるかもしれません。働きやすさや年収、キャリアなど、実現したい自分の姿を探してみましょう。

転職を成功させる秘訣は?

また実際に転職に踏みきった場合、新しい場所でやっていく心構えも必要です。

単独では成し遂げられないのが組織の仕事。できるだけ早く成果を出すためにも、まずは新しい環境で一緒に働く人たちとの信頼関係を築くことから始めるのがおすすめです。

同僚の働きを陰で支えたり、周囲をサポートしたりする姿勢を心がけておくと早く溶け込めますし、自分も協力を得られやすくなり、仕事が円滑に進みやすくなるでしょう。身近なところから小さな信頼を積み重ねていきましょう。

すぐに素晴らしい成果を出そう、と焦らないことも重要です。急いで大きな成功を狙ったり、前職の方法で強引に進めようとすると、周囲の批判を買ったり、失敗した際に大きなマイナスを付けられたりする可能性も。

着実に進めることを心がけ、転職先でも“信頼できる人”として認められることや、落ち着いて着実に取り組むことを大事にしていきましょう。

さいごに

人生には無限の選択肢があり、どれを選ぶかは自分次第。転職してもしなくても、定期的に「キャリアプラン」を見直して目標を意識する習慣は身につけておいて損はありません。現在の仕事の意義や今すべきことも、はっきりしてくるでしょう。

また口コミなども含め、インターネット上には転職に関する情報があふれかえっていますが、それが真実かどうか、自分も同じように感じるかは実際にそこで働く立場になってみないと分からないことも多いもの。「自分の目で見ること」も大事にし、情報の取捨選択は、冷静かつ慎重に行っていきましょう。

【参考】

『転職で年収アップするのはこんな人 年収アップ成功者に見る傾向と対策』求人情報・転職サイト「doda(デューダ)」

LIMO編集部