株式市場の振り返り-日経平均株価は続伸するものの、終わってみれば“寄り天”

2019年7月12日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,685円(+42円、+0.2%) 続伸
  • TOPIX 1,576.3(▲2.3、▲0.2%) 小反落
  • 東証マザーズ株価指数 897.3(▲20.0、▲2.2%) 大幅続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:703、値下がり銘柄数:1,356、変わらず:91
  • 値上がり業種数:14、値下がり業種数:19
  • 年初来高値更新銘柄数:75、年初来安値更新銘柄数:12

東証1部の出来高は10億2,974万株、売買代金は1兆7,891億円(概算)となりました。出来高は前日より減少しましたが、売買代金は横ばいとなっています。

しかし、12日はミニSQ算出に伴う嵩上げの売買が相当数あったことを考慮すると、売買代金は実質的に大幅減少だったと推察できましょう。これにより、8日連続で2兆円を割る深刻な薄商いとなっており、証券会社の業績悪化が懸念されます。

そのような中、日経平均株価は方向感を欠いたまま膠着状態となりました。寄り付きでいきなり+76円高を付けた後は一気にマイナス圏へ沈み、前場の半ばに一時▲53円安となる場面が見られました。

後場は+30円高前後の水準で完全な膠着状態となり、最後はやや買われて続伸で引けています。結局、終わってみれば久々の“寄り天”(寄り付き天井)でした。

なお、TOPIXも同じような値動きとなりましたが、最後はプラス圏を維持できず反落となりました。中小型株に広く売りが出たものと思われます。

東証マザーズ株価指数は大幅続落、売買代金は14日連続で1,000億円を下回る

東証マザーズの出来高は6,085万株、売買代金881億円となり、いずれも前日より増加しました。増加はしたものの、相変わらず個人投資家の物色意欲が盛り上がらず、売買代金は14日連続で1,000億円を大きく下回る薄商いとなっています。

また、株価指数は▲2%超安の大幅下落となる続落となりました。終値としては6月28日以来の900ポイント割れとなりましたが、今後の展開は引き続き個人投資家の物色意欲回復次第と言えそうです。

かんぽ生命が3日連続で上場来安値、ファーストリテイリングは再び上場来高値を記録

個別銘柄では、前日にQ3累計決算を発表したファーストリテイリング(9983)が+3%超高の大幅上昇となり、再び年初来高値を更新しました(上場来高値でもあります)。また、同じく前日に発表したQ1決算が2桁増益となったローソン(2651)が一時+6%超高の急騰となり、前日急落した良品計画(7453)も急反発で引けています。

その他では、前々日に新型ゲーム機販売計画を発表した任天堂(7974)が取引時間中に連日の年初来高値更新となりましたが、その後は売りに押されて下落しました。

また、前日に大爆騰したバンダイナムコホールディングス(7832)も同様に取引時間中に連日で年初来高値を更新した後は売りに押され、終値は▲8%安に迫る急落となったのが目を引きました。

一方、前日に発表したQ1決算が▲70%減益(最終利益)となった安川電機(6506)が一時▲6%安に迫る急落となり、ファナック(6954)、SMC(6273)、ディスコ(6146)など他の機械株も総じて大幅安になりました。また、前日に梯子を外されて暴落したDMG森精機(6141)も大幅続落となっています。

さらに、自動車株ではインド自動車産業への警戒感からスズキ(7269)が下げ止まらず、5日続落となったのが目を引きました。その他では、後場に入って仮想通貨の不正流出報道が流れたことを受け、マネックスグループ(8698)が一時▲6%安に迫る急落となったことが注目を集めたようです。

なお、かんぽ生命保険(7181)が一連の不祥事により3日連続で上場来安値を記録し、親会社に相当する日本郵政(6178)も年初来安値を更新しました。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が大幅安となり、ユーザベース(3966)が急落となっています。

葛西 裕一