導入が近づいてきた先日、Twitterで「生理用品やオムツが軽減税率対象外なのは納得がいかない」と言った意見のツイートが話題になりました。
この意見以外にも電気、水道、ガスのライフラインなど生活に欠かせないものは多々ありますが、これらも現状は軽減税率の対象外。消費税率が上がること自体に対しても不安ですが、軽減税率制度自体を不安視する声も。
そこで、日本よりも早く軽減税率制度を導入している諸外国ではどのような対応がなされているのかをご紹介します。
海外の軽減税率にはこんなものも
国民の幸福度ランキングで常に上位にランクインする北欧諸国。
一方で消費税率が高いことでも有名ですが、これらの国にはどのような軽減税率制度があるのでしょうか。
過去に世界の学力ランキングで1位を獲得するなど、教育大国のフィンランド。消費税(付加価値税)率は24%と非常に高い数字ですが、食料品や外食は14%、本や医療品、公共交通機関などは10%と軽減税率が導入されています。
フィンランドと同様に教育や子育て支援が充実しているスウェーデンは、税率は25%ですが食料はおよそ半分の12%、書籍や新聞、公共交通機関などは6%と日本よりも低い税率になっています。北欧諸国に共通するのは、高い税率でも教育費や医療費が無償であるなど、国の制度が整っているため、国民が税制度に納得をしている点ではないでしょうか。
ユニークなものでは、カナダのドーナツがあります。そもそもカナダでは食料品や農産品、医療機器などは税率0%つまり無税なのですが、ドーナツに関しては5個以内の購入は一度に食べられる=外食とみなされ10%前後(州により異なる)の税率がかかり、6個以上買うと食料品とみなされ税率は0%となるそうです。
また日本で話題になった生理用品については、世界でも論争が起こっており、アメリカ(ニューヨーク州やフロリダ州など)やインドでは生理用品にかかる税金を廃止しています。
まとめ
世界各国の軽減税率に目を向けると、対象となる品目が多岐にわたっていたり、税率の撤廃が行われていたりと、より国民の声が反映されているのではないかと感じました。
日本ではこれから導入される軽減税率制度。導入後の生活を想定し、制度改善の必要性を感じたら、まずはしっかりと内容を理解した上で消費増税について考えてみてはいかがでしょうか。
また軽減税率は低所得者だけではなく、高所得者にも適用される点も忘れてはいけません。増税後はポイント還元(キャッシュレス決済対象)が行われる予定ですが、期間限定(9カ月間の予定)です。しかし所得税や法人税を引き上げることは、現役世代に負担が集中するという指摘もあります。
増加する社会保障など問題は山積しています。なぜ消費増税が必要なのか、増税後の生活はどうなるのか、子どもたちが生きる社会がどうなっていて欲しいのか、長期的な視点で考えていきたいですね。
【参考】
『軽減税率制度とは』国税庁
『消費税率引き上げおよび、軽減税率制度の実施に伴う対応について』スターバックスコーヒー ジャパン
『ハンバーガー商品に使用するバンズをリニューアル』モスフードサービス
『租税条約等に関する情報』国税庁
『食料品等に対する軽減税率の導入問題』国税庁
『消費税引き上げの理由』財務省
『生理用品、トイレットペーパー、オムツなど軽減税率適用外で「納得いかない」と不満も』niftyニュース
吉永 涼