1. 【親の預金】死亡届の提出前ならATMでお金を引き出してもOK?
親が亡くなると、葬儀代や病院での医療費の精算、残された家族の当面の生活費などさまざまな支払いが発生します。まとまった金額の支払いになることも多く、「親の口座から引き出したい」と考える方も多いかもしれません。
銀行へ死亡届を提出しておらず、口座が凍結されていなければ、キャッシュカードを使ってATMで引き出すことは物理的には可能です。
しかし、だからといって被相続人(亡くなった方)の口座からお金を引き出すことはおすすめできません。被相続人名義の預金は亡くなった時点から相続資産となり、相続人の共有財産となるためです。
もし他の相続人から「勝手に引き出した」とみなされてしまうと、深刻な相続トラブルに発展してしまうこともあります。「葬儀代に使っただけ」という事情があっても、金額や使途の説明が不十分であれば争いの火種になりかねません。
1.1 相続トラブルは年々増加傾向にある
「我が家は仲が良いから相続で揉めることはない」「トラブルになるほど資産がないから大丈夫」と考える方もいるでしょう。
しかし、最高裁判所の司法統計によると、2024年に家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件数は1万5379件となっています。2000年は8889件でしたので、約25年でおよそ1.8倍にまで増加している状況です。
さらに、2024年の司法統計によると同年中に家庭裁判所で解決した遺産分割事件のうち、遺産額が5,000万円以下の案件が約78%を占めています。相続トラブルと聞くと「遺産が多い家庭の話」というイメージを持ちがちですが、実は一般家庭で財産の分け方をめぐって意見が対立するケースが多いのです。
