そして、筆者にとって大きな「まさか」だったのが、仕事。出産前は、先に記したように、生まれたばかりの赤ちゃんは寝てばかりだろうだから、ライターという仕事は、在宅のものであれば産後すぐに取り掛かれるだろうと思っていたのです。しかし、我が子の泣き声を聞きながら原稿を書くことは、かなり難しいものでした。

子どもが保育園に入園することができてから、どうにかバランスをとれるようにはなりましたが、それまで、妊娠中と自宅での育児中、合わせて10カ月間は仕事を減らさざるを得なかったので、フリーランスの筆者への仕事の依頼はガクッと少なくなりました。

いくらキャリアがあっても、自宅で育児をしながら細々と仕事を続けていても、しっかりと産休・育休・復帰のアナウンスをしても、保育園に入れたからといって急に仕事を増やせるわけではないという現実。結局は、仕事の内容を少し広げることでサバイブし、ある程度の収入を得られるまでに2年間かかりました。

さらに、仕事が絶えない状態になるまで、そこから2年間かかりました。合わせて4年間、フリーランスならではだとは思うのですが、これも「まさか」でした。

ほかには、周囲に育児の協力をお願いしていたつもりが、出産後、それは「つもり」だったのだなと実感し、結局は孤軍奮闘せざるを得なかったという「まさか」もありました。

育児に必要なのは対応力だと気づく

これら全て、自分自身の読みの甘さとしか言いようがないのですが、最近ある友人が「育児は、その時々になってみないと、本当にどうなるかわからない。その時々で対応していくしかない」と言っていて、とても腑に落ちました。要は、先を読むことも大切ですが、何よりも、その時々の対応力が、育児には求められるということです。

まだまだ親として駆け出しの筆者。まだ見ぬ「まさか」を覚悟しながら、でも力み過ぎずに、充実した日々を我が子と過ごしていきたいと思っています。

高橋 美穂