高年収も十分狙える大企業に採用されたにもかかわらず、すぐに自ら退職してしまう若者たち。彼らは、なぜそのような道を選んだのでしょうか。そこには、大企業で働くうえでのデメリットが隠されていました。
「入社できれば勝ち組」という印象が強い大企業ですが、どのようなマイナス要素があるのでしょうか。そこで今回は、大企業のメリットとデメリットを見てみましょう。
現在の離職率は?
そもそも、入社してすぐに仕事を辞める人はどのくらいの割合で存在するのでしょうか。
厚生労働省が平成30年10月23日に公表した「新規学卒者の離職状況」をもとに、平成27年3月に卒業し就職した人のうち3年目までに離職した割合を見てみましょう。
中学卒:64.1%
高校卒:39.3%
短大等卒:41.5%
大学卒:31.8%
中学を卒業して就職した人の離職率が最も高く、そのあとは学歴が高くなるほど割合が下がる傾向にあります。最も離職率が低いのは、大学卒の31.8%という結果に。大学受験や就職活動を乗り越えたにもかかわらず、3割以上の人が退職しているのが現状のようです。
大企業に入って悪かったことは?
「離職していくのは中小企業に勤めている人ばかり」とは限りません。なかには、大企業のデメリットを感じて退職するケースも。その理由として、以下のような点が挙げられます。
同期が多いため競争が激しい
同期が多い大企業では、「同期には負けたくない」「同期の中でも出世のスピードが違う」といった競争の厳しさを感じる人が多いようです。全体の人数も多いため、なかなか思うように昇進できないケースも珍しくありません。
各部署の役割分担がきっちりしている
一見メリットのように見えますが、部署ごとの役割が明確すぎて社内外の接点が減ってしまうことも。さまざまな人と関わりたい人にとっては、窮屈に感じてしまうようです。
転勤がある
転勤をする前提で入社していたとしても、いざとなったら抵抗がある人もいるでしょう。家族が増えた場合、さらに悩みが大きくなってしまう傾向にあるようです。
昇進できない人への風当たりが強い
昇進できない状態が続くと、周囲からの目がどんどん厳しくなってしまいます。どことなく「昇進できないなら退職を」という空気が漂っているケースもあるため、徐々に肩身が狭くなってしまうでしょう。