桜前線が北上し、春本番となる4月。新年度が始まり、新たな目標を立てる方も多い季節です。
ライフステージの変化とともに、将来の暮らし、特に老後の生活資金について考える機会も増えるのではないでしょうか。
「年金だけで生活できるのか」「貯蓄はいくらあれば安心か」といった疑問は、多くの方にとって共通の関心事です。
公的な統計データに目を向けると、65歳以上の夫婦世帯の貯蓄額は平均と中央値で大きな差があり、すべての世帯が潤沢な資産を持っているわけではないことがわかります。
また、毎月の家計も必ずしも黒字とは限らない実態が見えてきます。
本記事では、65歳以上の夫婦世帯を対象に、平均貯蓄額や家計の収支、年金の平均受給額といった最新のデータをもとに、シニア世代のリアルな経済状況を紐解いていきます。
※金額などは執筆時点の情報にもとづいています。
1. 65歳以上の無職夫婦世帯、平均貯蓄額はいくら?二人以上世帯のデータを解説
総務省統計局が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)が保有する貯蓄の平均額は2560万円です。
この金額は近年増加しており、2019年の2218万円から2024年の2560万円まで、ここ5年間で上昇傾向が続いています。
貯蓄の内訳で最も大きな割合を占めるのは、定期性の預貯金で859万円でした。
次いで、普通預金などの通貨性預貯金が801万円、有価証券(※1)が501万円、生命保険などが394万円、金融機関外(※2)の貯蓄が6万円と続きます。
前年からの増加額に注目すると、通貨性預貯金は+47万円(+6.2%)、有価証券は+21万円(+4.4%)と、それぞれ伸びを示しています。
※1 有価証券:株式、債券、株式投資信託、公社債投資信託、貸付信託、金銭信託など(いずれも時価)
※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など
