子どもが幼稚園へ行き始めると、それまでママとべったりの生活だった子どもたちにも、彼らしか知らない世界ができはじめます。

登降園は一緒でも、園で過ごす時間は基本的に子どもたち本人や先生にしかわからないもの。先生が知らないところでお友だちとのトラブルが発生しているケースも、めずらしいことではありません。

今回は、なかなかナイーブな「幼稚園のお友だち問題」にスポットを当てて、子どもたちの心に現れるモヤモヤとの向き合いかたについて考えてみたいと思います。

■心の変化が表に出るタイプとそうでないタイプの子どもがいる

幼稚園に通い始めると、多かれ少なかれ子どもの心に変化は現れるもの。入園当初はママと離れるのがイヤで、教室の前に行っても大泣きして離れられない子も少なくありません。一方で、最初から「行ってきまーす!」と元気にママとバイバイできる子もいるなど、子どもによって新しい環境へなれるスピードは本当にマチマチです。

年中・年長になって幼稚園での生活にも慣れてくると、基本的に毎日楽しく幼稚園に通える子が増えます。しかし、お友だちとのトラブルなど、幼稚園生活に慣れるのとはまた違ったストレスを感じ始めるのもこの頃なのではないでしょうか。

「○○くんがキライって言ってきた」「○○ちゃんが一緒に遊んでくれない」など、子どもの口から出てくる言葉に驚いた経験のあるママも多いことかと思います。しかし、このように心のモヤモヤを表現できる子もいれば、親が全く気づかない間にモヤモヤを抱え込んでいる子どももいるのです。

■実際にあったお友だちとのトラブル事例

これから幼稚園探しをするママや、まだお友だち間でのトラブルを経験していない人にとっては、お友だち問題がどのようなものなのかイメージがつかない人もいるでしょう。実際に私が耳にしたトラブルや、我が子から聞いた話を元に、幼稚園で起こりうるトラブルの事例を見ていきましょう。

「スカート履いてないから一緒に遊んであげない」

女の子のお友だち同士で起きた、トラブルの一例。幼稚園では外で遊ぶ機会が多いため、ママが動きやすいようにと晴れの日はいつもパンツタイプの洋服を着せていたそうです。しかしたある日突然、元気なさげに帰宅した娘さん。「どうしたの?」と聞くと、「○○ちゃんから、スカート履いてない子とは遊ばないと言われた」とのことだったのです。

その当時、娘さんは年中の学年。年少のときにはなかった言葉がお友だち同士の中に出てきていることに、ショックを受けたそうです。しかし、娘からそう訴えられたからと言って、毎日の服装をスカートにするのは違うと判断したママ。友だちから言われた言葉に従うことが、友だち関係を築いていくやりかたではないということを我が子に教えたかったのだそうです。

お友だちからキツい言葉を投げかけて以来、しばらくは「スカートじゃないと嫌だ」と言い続けていた娘さん。しかし、今まで通り基本はパンツスタイル、雨の日にはワンピースやスカートなどを着るように徹底しているうちに、服装関係なくお友だちと遊べるようになったそう。我が娘が落ち込んでいる姿を見れば、ついつい毎日スカートを履かせてしまいたくなるのがママの本心です。しかし、娘が本当の意味で友だちとの付き合いかたを学べるようにと配慮したことは、大きくなってから友だちと仲良くしていくときの大切なスキルとなることでしょう。

「いつもいじわるしてくるお友だちがいる」