3. 【一時給付】まとまった現金が受け取れる制度4つ

続いて、まとまった現金が受け取れる給付金や手当の制度を確認していきましょう。

3.1 再就職手当

再就職手当は、雇用保険の基本手当の受給資格がある人が、早期に安定した職業に就いた場合や事業を開始した際に支給される一時金です。

支給額は、再就職時点で残っている基本手当の支給日数に応じて算出され、再就職の時期が早いほど給付率が高くなります。

再就職後の生活費の不安を和らげる制度として、内容を把握しておくと安心です。

3.2 出産育児一時金 / 出産手当金

出産育児一時金は、公的医療保険に加入している人が出産した場合に、子ども1人につき原則50万円が保険者から支給される制度です。

受給するには、所定の申請書など必要書類を提出する手続きが必要で、申請期限は出産日の翌日から2年以内とされています。

一方で出産手当金は、出産のために仕事を休み、その期間に収入が得られない場合の生活を支えるために設けられた制度です。

申請は産前と産後に分けて行うことも可能で、支給額は出産前の標準報酬日額をもとに、おおよそ3分の2程度が目安とされています。

3.3 住居確保給付金

住居確保給付金は、離職や収入の減少などにより住まいを失うおそれがある人に対し、家賃負担を軽減する目的で支給される制度です。

主たる生計維持者が離職・廃業から2年以内である場合や、本人の責任によらず収入が離職時と同程度まで減少している場合など、一定の条件を満たすと対象となります。

支給額は、市区町村ごとに設定された上限額(生活保護制度の住宅扶助額)を基準に、実際の家賃の範囲内で原則3か月間支給されます。

なお、具体的な要件や支給額は自治体ごとに異なるため、詳細は市区町村の窓口で確認しておくことが重要です。

3.4 災害見舞金

災害見舞金は、地震や台風、火災などの災害によって住宅や家財に被害を受けた世帯に対し、生活再建を支援するために支給される制度です。

支給額は被害の程度や自治体ごとの制度内容によって異なり、住宅の全壊や半壊といった被害状況に応じて金額が設定されています。

たとえば港区では、二人以上世帯に対する災害見舞金が一定の基準に基づいて定められています。

災害見舞金5/5

災害見舞金

出所:港区「港区災害見舞金」

  • 住宅・家財などの全壊、全焼、流失:7万円
  • 住宅・家財などの半壊、半焼:5万円
  • 住宅などの床上浸水:5万円
  • 住宅・家財などに相当額以上の被害を受けた場合:5万円
  • 傷害(1人につき):4万円
  • 死亡(1人につき):12万円

多くの場合、市区町村などの自治体が実施主体となっており、被害状況の確認を受けたうえで申請手続きを行うことで支給されます。

4. 【保険料・税負担軽減】社会保険料・税金の減免制度3つ

最後に、社会保険料・税金の減免制度を3つ紹介します。

4.1 国民年金の減免制度

国民年金には、所得が一定水準以下となった場合や、失業・休業などで保険料の納付が難しいときに、保険料の免除や納付猶予を受けられる制度が設けられています。

これらはいずれも申請が必要となるため、負担が大きいと感じた場合は、日本年金機構などの窓口へ早めに相談することが重要です。

また、免除や猶予の期間については、後から保険料を追納しない場合、将来受け取る年金額が少なくなる点に注意が必要です。

支払いに余裕が出てきた際には、追納を検討するとよいでしょう。

4.2 国民健康保険料の減免制度

失業や事業不振、大幅な収入減、災害などにより生活が困難になった場合、住民税が課税されている世帯であっても、国民健康保険料の減額や納付猶予が認められることがあります。

これらの制度は自治体ごとに内容が異なります。申請を行わなければ適用されないケースが多いため、該当の可能性がある場合は、早めに市区町村の窓口へ相談し、必要な手続きや書類について確認しておきましょう。

4.3 住民税の減免措置

住民税には、失業や収入の大幅な減少、災害などによって生活が厳しくなった場合に、税額の減免や納付猶予を受けられる制度があります。

住民税が課税されている世帯であっても対象となるケースがあり、適用を受けるには申請が必要です。

減免の内容や要件は自治体ごとに異なるため、負担を感じた際には、早めに市区町村の窓口で相談し、利用可能な制度や手続きの方法を確認しておくと安心です。

5. 申請で受け取れる支援制度を見逃さないようにしよう

本記事では、住民税課税世帯が申請できる「給付金+手当+減免制度」を紹介しました。

今回紹介したように、住民税課税世帯でも、継続的に現金が支給される手当や、一時的にまとまった金額が受け取れる給付金、さらには保険料や税金の負担を軽減できる制度まで、さまざまな支援が用意されています。

ただし、これらの多くは申請が前提となっており、手続きを行わなければ受給できない点に注意が必要です。

制度ごとに条件や手続き方法が異なるため、自分に該当する可能性があるものは早めに確認し、必要に応じて窓口で相談しておくことが大切です。

和田 直子
銀行員時代には、「知っていればもっと早く申請したのに」というお声を現場で聞くことが少なくありませんでした。今回ご紹介した制度の多くは、役所から自動的に案内が届くわけではなく、自ら動かなければ受け取れない「申請主義」が原則です。一度にすべてを覚える必要はありません。「もしもの時にはこんな制度があったな」と頭の片隅に留めておくだけでも、いざという時の安心感が違います。もし気になる制度があれば、まずはお住まいの自治体や管轄の窓口へ詳細を確認してみることが、家計を守るための確実なファーストステップになります。

参考資料

和田 直子