総合旅行プラットフォームを運営する㈱エアトリは、『「老後の貯金」に関するアンケート』(10~70代の男女959名)を実施しました。

これによると、「老後に2000万円の貯金が必要になる」というニュースを聞いてどう思ったかという問いに対し、56.2%の人が「以前からそうなると思っていた」と回答しています。また、この報道をきっかけに何かを始めたかとの問いに対しても、「何もしていない」が74.2%となっています。大半の人にとっては、あまり驚くべきニュースではなかったのかもしれません。

現在の貯金額がいくらかとの問いに対して、60代以上の約7割は2000万円未満となり、「2000万円以上」は31.7%となりました。30代以下・40代は「50万円未満」(30代以下:27.3%、40代:22.6%)、50代は「2000万円以上」(21.7%)がもっとも多い回答となっています。

60代以上の3割しか貯金2000万円以上ないということですが、しかし全体で見れば2000万円以上の貯金がある人はそもそも少なく、その中でも60代以上がもっとも多いのです。

現在、終身雇用制度の維持の困難さが指摘されており、退職金が減少傾向にあります。また退職金のないフリーランスも増加傾向です。

このような世代が高齢者になったとき、はたしてどれだけの人が自助で老後資金を準備できるのでしょうか。

老後資金を貯める計画を立てよう

今回の「老後資金2000万円必要」提言で、とくに焦っている人は少数派のようでした。政府の対応に疑問を抱いている方もいるかもしれませんが、老後のライフプランは考えておいて損はありません。

「さっそく老後資金を貯めていこう!」と思い立ったら、まずは老後の生活を自由に思い描いてみましょう。もう一度勉強を始めたい、海外生活をしてみたい、頻繁に旅行をしたいなど、自分の理想を盛り込んで構いません。具体的なイメージが掴めたら、それらの実現にはどのくらいのお金が必要なのかも把握できるでしょう。

老後の生活のビジョンが描けたら、年表としてまとめてみます。結婚や出産、マイホームの購入など、老後までの間に待っているライフイベントもあわせて書き込んでください。それぞれのタイミングで必要となる金額も、横に添えておきます。

すべての項目をリストアップできたら、それぞれの金額を足していきましょう。その合計が、あなたの人生で必要となるお金です。年表を分析すると、「この時期は出費が続くから、落ち着いたら老後資金を貯めていこう」といったペースも見えてくるはずです。

初心者でもできる貯金方法

老後資金を貯めていくペースが掴めたら、さっそく貯金を増やしていきましょう。次のような方法なら、慣れていない方でも簡単に取り組めます。

レシートをチェックする

レシートには、普段の買い物に関する情報が詰まっています。毎日レシートをチェックして、その日の買い物シーンを振り返ってみましょう。無駄遣いの有無だけでなく、「仕事帰りにコンビニに立ち寄る日が多いな」といった癖を発見できるかもしれません。

項目ごとに予算を決める

こまめに家計簿をつけるのが苦手な方は、予算内でやりくりをする習慣を身につけておきましょう。仮に「1カ月の食費は4万円以内」と決めたら、1週間の食費を1万円に抑えるよう意識してみるのです。細かい計算が苦手な方はどんぶり勘定でもいいので、続けてみることから始めてみてください。

先に貯金額を確保しておく

余った分だけ貯金に充てようとすると、結局お金が残らないケースも珍しくありません。そこで、給料が入ったらすぐに貯金してしまうのがおすすめです。確実に貯金していくため、積立貯金などを利用するのもいいですね。

まとめ

金融庁の報告書にあった「2000万円」は、あくまでも目安です。自分に合った老後のライフプランを考え、必要な資金を把握し計画的に準備することが重要です。住宅ローンや教育資金が落ち着いてくる50代ごろが、貯め時かもしれません。できる時に貯蓄に励み、余裕のある老後生活を送りたいですね。

また定年後も再就職して仕事を続ける、というのも人手不足の現代において良い選択かもしれません。

【参考】

『「老後2000万円」報道を聞いて7割が「何もしていない」事が判明 60代以上の貯金額「2000万円未満」は7割 「すべて節約できる」男性24.1%に対し女性は7%と男女で節約に対する意識に大きな差が』旅行サイト「エアトリ」調べ

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部