2024年1月に始まった新NISAを機に、投資を始めた人は少なくありません。
なかでも高い人気を集めてきたのが、全世界の株式に分散投資できる「オルカン」です。
1本で幅広い国や地域に投資できるわかりやすさから、つみたて投資枠でも成長投資枠でも選ばれやすい商品となっています。
実際に、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の純資産総額は2026年4月3日時点で約10.25兆円に達しており、投資家からの資金流入の大きさがうかがえます。
新NISA開始から2年強が経過した今、気になるのは「実際どれくらい増えたのか」という点でしょう。
制度の説明だけでなく、現実の運用結果を数字で確かめたいと考える人は多いはずです。
そこで本記事では、2024年1月から毎月5万円をオルカンに積み立てたケースをもとに、現在地をシミュレーションで確認していきます。
1. 「毎月5万円」を積み立てたらいくらになった?シミュレーション
ここでは、新NISAが始まった2024年1月から2026年3月まで、毎月25日に5万円ずつオルカンを積み立てたケースを見ていきます。
積立回数は27回となるため、投じた元本の合計は135万円です。
今回の試算では、購入時の基準価額をもとに毎月の購入口数を算出し、2026年3月31日時点の基準価額で評価額を計算しました。
その結果、累計の購入口数は約49万6410口、評価額は約159万7248円となりました。
元本135万円に対して、含み益は約24万7248円です。
※本シミュレーションでは、運用コストを加味しておりません。
2年強という期間でも、毎月一定額を積み立てていくことで、元本に運用益が上乗せされていることがわかります。
もちろん、投資信託である以上、評価額は常に一定ではなく、相場の状況によって増減します。
ただ、毎月同じ金額を機械的に積み立てることで、価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く買う形になり、購入単価がならされやすくなります。
実際に今回のシミュレーションでも、2024年1月は基準価額が2万円台前半だったため2万口を超える口数を買えた一方、基準価額が3万円台まで上がった局面では、同じ5万円でも買える口数は1万口台半ばまで減っています。
このように、毎月定額で積み立てる方法は、相場の上下にかかわらず淡々と買い続けやすいのが特徴です。
2026年3月末時点では、直近の値動きの影響で利益はやや縮小しているものの、それでも元本は上回る結果となりました。
短期間で大きな値上がりを狙うというより、時間を味方につけながら着実に資産形成を進める手段として、積立投資の特徴が表れた結果といえるでしょう。
2. 同じ時期に始めても「損」をした人がいるのはなぜか
同じ時期にオルカンの積立を始めても、結果が同じになるとは限りません。
差がつきやすいのは、「相場が下がったときの行動」です。
例えば、基準価額が下がった場面で不安になり、すぐに売ってしまう人もいます。
しかし、その後に相場が戻れば、本来得られたはずの利益を受け取れなくなります。
積立投資は、下がったときも続けることで、安い価格で多く買いやすくなるのが特徴です。
途中でやめてしまうと、その強みを生かしにくくなります。
また、相場を見ながら積立額を何度も変える人も、結果的に不利になりがちです。
上がっているときに多く買い、下がると怖くなって減らしてしまうと、高いときに多く買う形になりやすいためです。
積立投資で大切なのは、値動きに振り回されず、決めた金額を続けることです。
同じ商品を買っていても、途中で売ってしまった人と、コツコツ続けた人では、結果に差が出やすいでしょう。
3. 積立投資で大切なのは“ほったらかし”を続けること
積立投資で大切なのは、相場の上げ下げに一喜一憂せず、続けることです。
値動きがあるたびに不安になって売ったり、積立額を頻繁に変えたりすると、積立投資のよさを生かしにくくなります。
毎月一定額を積み立てる方法は、価格が高いときには少なく、安いときには多く買える仕組みです。
だからこそ、短期の値動きよりも、長く続けることに意味があります。
今回のシミュレーションでも、2024年1月から2026年3月まで毎月5万円を積み立てた場合、元本135万円に対して評価額は約159万7248円となり、約24万7248円の含み益が出る結果となりました。
途中で相場が下がる場面があっても、積立を続けることで資産は少しずつ積み上がっていきます。
新NISAは、こうした長期の積立投資と相性のよい制度です。
短期で増えたかどうかだけを見るのではなく、無理のない金額で続けられる形を作ることが、資産形成では大切でしょう。
資産運用は利益が期待できるだけでなく、価格変動リスクなどが伴います。
家計や保有している資産全体のバランス、リスク許容度などを考慮して、ライフスタイルに合った方法で資産形成について考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
加藤 聖人