一発当てれば、人生を大きく変えてくれる宝くじ。「どうせ当たらない」と思っている人もいれば、「もしかすると奇跡が起きるかも」と期待している人もいることでしょう。今回は、そんな夢のある宝くじの売り上げや、つい購入してしまう心理を見ていきます!
宝くじの売れ行きは減少傾向
総務省は、2017年度の宝くじの売上額は7,866億円、前年度に比べ6.9%減少したと発表しています。これはピーク時の2005年に比べ、3割も少ない数字。また、ナンバーズやロトといった「数字選択式宝くじ」も同様の減少傾向にあります。誰もが知る宝くじですが、なぜ売れ行きが良くないのでしょうか。その背景には、投資の幅の広がりがあるようです。
ピーク時の2005年に比べると、今では投資方法がずいぶん多くなりました。仮想通貨も登場し、投資は以前より身近な存在になったといえるでしょう。それにより、人々の間で「お金を増やす=宝くじを当てるしかない」という考えが薄れていったのかもしれませんね。
つい宝くじを買ってしまうのはなぜ?
そもそも、宝くじの払戻率はどのくらいなのかご存じでしょうか。実は、宝くじの当せん金は当せん金付証票法(第5条)で「その発売総額の五割に相当する額をこえてはならない」と定められています。つまり、宝くじの払戻率は5割以下。こう聞くと、あまり高い期待はできそうにないと感じる人もいるのではないでしょうか。
それでも、ついつい買ってしまう宝くじ。「そこまで期待はできない」と分かっているのに、人々が購入してしまう理由を探ってみましょう。
ここで考えられるのが、行動経済学でいう「確率加重関数」との関係性。これは、「人間はとても小さな確率だと、現実より大きく感じるようにできている」という心理のことです。
たとえば、「事故の発生率は低いのに、飛行機に乗ると不安になる」「もしものときに備えて生命保険に加入しなければと感じる」といった経験はありませんか?これらの心理には、先ほどの「確率加重関数」が関係していると考えられます。宝くじにおいても、無意識のうちに実際の当選確率より高く感じているのでしょう。