日米欧の株式市場がしっかり上昇した1週間

先週(2月22日‐2月26日)は、先進国の株式市場を中心に上昇しました。

発表された経済指標は、米国が他地域に比べて堅調であることを示す内容でした。このためドルが対ユーロ、対円ともに上昇しました。原油価格が上昇する一方、日独の長期金利が低下し株価を下支えています。こうした環境の中で先進国株は軒並み上昇しましたが、特に欧州株が好パフォーマンスを上げています。このようにリスクオンが広がったため、金など貴金属が売られています。なお、新興国市場では、上海株式市場は▲3%下げて終わり、インド株も軟調でした。

個別銘柄では米スプリント(S)が急騰し、M&A期待から米ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が上昇しています。日本では大型の自社株買いを発表したソフトバンクグループ(9984)の上昇率が大きく、増配を発表したパナソニック(6752)も上昇しています。一方、KDDI(9433)やソニー(6758)が下げており、同一セクター内で銘柄を入れ替える動きが見られます。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き 

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

米国の金融政策と中国の景気対策を睨む1週間に

今週(2月29日‐3月4日)は、3月1日に米大統領予備選のスーパーチューズデー、3日に中国の全国人民代表大会(全人代)開幕、4日に米国雇用統計の発表を控えています。G20はおおむね期待通りに通過したものの、各国が財政政策や構造改革を進めるという宿題を持って帰ることになりました。その中で特に中国の経済政策と株価の反応、そして米国の金融政策の行方は大いに注目されます。日本でも夏の参議院選挙を前に景気対策が議論されそうです。

日本ではシャープ(6753)の方向性が固まり、日産(7201)の自社株買いが発表されました。ふくおかフィナンシャルグループ(8354)と十八銀行(8396)の統合も発表されています。こうしたミクロのポジティブな材料が続いていることは相場の熱量を維持するために極めて重要です。指数水準が大きく上下に振れるというよりも、個別企業の材料をひとつひとつ消化する市場展開になる公算が高いと考えています。

【2016年2月28日 投信1編集部】

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LIMO編集部