就職氷河期世代のなかには、「就職活動は苦い思い出だ」という方も多いのではないでしょうか。そんな彼らも、今では40代に。結婚や出産を経て、マイホームの購入や教育資金といった出費が続いている現在、金銭的にはどのような状況なのでしょうか。貯蓄や負債の実態をみてみましょう。
就職氷河期の背景
就職氷河期世代が就職活動をした1990年代頃は、激動ともいえる時代でした。1997年4月は消費税増税がスタートし、山一証券の自主廃業やアジア通貨危機といったニュースが世間を騒がせていましたね。
1998年に入ると、日本長期信用銀行の破綻と国有化、日本債券信用銀行の国有化といった金融危機が景気に影響を与えていきます。金融機関の状況を踏まえ、ほかの産業も積極的に採用しようという姿勢がなくなっていきました。
このような流れによって、「就職氷河期」が到来。「就職先がなかなか見つからない」「正社員での雇用が厳しい」と頭を悩ませる学生が多く見られました。
現在の貯蓄額と負債額
では、就職氷河期世代である40代のお金の状況をチェックしていきましょう。総務省統計局の「家計調査報告[貯蓄・負債編]平成30年(18年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」から、世帯主が40~49歳の世帯の平均貯蓄額は1012万円、平均負債額は1105万円と分かりました。40代では、ほとんど同じくらいの貯蓄と負債がある状態のようです。
なお、50~59歳の世帯の平均貯蓄額は1778万円、平均負債額は683万円となっています。40代に比べて負債額が減っているぶん、貯蓄しやすい状況となるでしょう。
老後資金がいくら必要なのかを事前に計算しておくと、貯蓄の計画が立てやすくなります。住宅ローンの返済に追われている世帯もあるかもしれませんが、そろそろ老後の生活費も視野に入れておきましょう。