ここでは、女性社員がボーナスを利用して計画的に返済を続け、450万円の負債を5年で完済した実例をご紹介します。彼女が抱えていた主な負債は学生時代に利用した奨学金によるものでした。返済計画の内容は下記の通りです。

この計画ではボーナスが重要な役割を果たしています。ボーナスを利用しなければ、負債はなかなか完済できなかったかもしれませんね。

住宅ローンの繰り上げ返済には注意!

負債が住宅ローンだという場合は住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)が利用できるため、繰り上げ返済をしないほうが良いケースもあります。

住宅ローン減税とは、住宅の取得や増改築で10年以上のローンを組んだ場合に、納めた所得税や住民税が戻ってくる制度です。2019年10月の消費税引き上げに伴い、控除期間が10年間から13年間に延長されることが決まっています。1年間で40万円を限度に住宅ローン残高の1%が控除されて戻ってくるのです。

ところが、繰り上げ返済によって住宅ローン残高が減り、ローン返済期間が10年あるいは13年間を切ると住宅ローン減税が適用されません。また、控除額の算出は、年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうち、どちらか少ないほうの金額が対象になります。繰り上げ返済でローン残高が減ると、戻ってくるお金が減る可能性があるため注意が必要です。

ボーナスを利用してローンを賢く返済しよう

負債は精神的な負担になりがちです。できるだけ早く完済したいとあせってしまう人もいるでしょう。しかし、お金を返済に回しすぎると生活費が不足してしまうことも。繰り上げ返済をしても、あらかじめ決まった約定日に通常の返済をしなくてはならないケースも少なくありません。無理のない範囲内で、ボーナスによるローン返済を取り入れてみてはいかがでしょうか。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部