さっそく、年収1,000万円世帯の貯蓄額をみてみましょう。総務省の家計調査によると、「年収1,000万円以上1,250万円未満の世帯」の貯蓄額は100万円未満から4,000万円以上までと、バラつきがあることが分かりました。

総務省統計局が2019年5月17日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、2人以上世帯における1世帯当たりの貯蓄現在高の平均値は1752万円、中央値は1036万円という結果でした(貯蓄には預貯金のほかに株式や投資信託といった有価証券が含まれますが、不動産は含まれません)。
平均値は高齢者や一部の富裕層によって数値を引き上げられるので、データを小さいほうから順に並べたときに真ん中にくる中央値のほうが実態に即しているといわれています。その中央値でさえも1036万円と、1000万円を超えています。(貯蓄「0」世帯を含めた中央値は978万円)。

こうした中で1000万円貯めるのはとても難しいと思ってしまいますよね。それに、ただ何となく貯めようと思ってもお金はなかなか増えません。そこで貯まりやすくするためにはどうすればいいかを考えてみます。

1年で100万円を貯めるのには

周囲の貯蓄額を聞くと、貯蓄に取り組む意欲が沸いてきますよね。とはいえ、さすがに2,000万円の貯蓄を目指すのはかなり大変です。そこで、まずは1年間で100万円貯めることを目指していきましょう。100万円貯金を達成するためには、次のポイントをおさえておきましょう。

計画を立てる

計画を立てると、貯金のモチベーションが一気に高まります。「100万円を貯める」だけでなく、「いつまでに達成するのか」も決めておきましょう。

「今年中に」「次の長期休暇までに」など、できるだけ具体的なゴールを設定しておきます。今回の場合は、1年間で貯めるように定めておきましょう。

ボーナスは貯金に充てる

ボーナスは、一気に貯金を増やす貴重なチャンスです。夏と冬のボーナスで、それぞれいくら貯金に充てるかを決めておきましょう。

仮に30万円ずつ貯金するなら、合わせて60万円。100万円までの残り40万円を、1年後までに毎月貯めていくという流れになります。

毎月の家計をチェック

家計簿やアプリを利用すれば、いまの家計の状況が掴みやすくなります。こまめに見直して、「先月は外食が多かったから今月は控えよう」「週末の飲み会を減らそう」などの改善点を見つけましょう。

年収1000万円を目指せる業種はどこ?

「年収が高ければ、もっと貯蓄できるのに…」と考える方も多いでしょう。そもそも、年収1000万円の人はどのような業種に就いているのでしょうか。東洋経済新報社による東洋経済オンライン『最新!「平均年収が高い会社」ランキング300(2018年2月23日)』をもとにみていきましょう。

19年度版就職四季報に情報開示がある1113社のうち、平均年収が1000万以上だったのは41社という結果でした。なお、このデータには「一般職を含んだ年収」も含まれています。総合職だけで判断すると、平均値が上がるとも考えられるでしょう。このランキングで上位に登場したのは、マスコミ・総合商社・不動産・金融の大手など。上位の10社の平均年収は、1200万円以上でした。

また、上位285位以内の平均年収は800万円を超えています。主な業種は、建設・メーカー・運送業など。この辺りだと、うまく出世すれば年収1000万円も目指せるでしょう。ただし、平均年収が高い企業に入社したら、必ずその年収を得られるとは限りません。残業時間や各種手当などの条件も企業によるので、収入と労働のバランスは一概にいえないのが現実です。

まとめ

年収が高ければ貯蓄しやすいのは確かですが、いまの年収でも工夫次第で十分貯蓄を増やしていけるはずです。あらかじめ決めた目標を達成すると、自分に対する自信も得られるでしょう。まずは1年で100万円を貯めてみて、貯金のペースを掴むことから始めてみてはいかがでしょうか。


【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部