2019年6月22日に開催された、株式会社ベネッセホールディングス第65期定時株主総会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料
スピーカー:株式会社ベネッセホールディングス 代表取締役社長 安達保 氏
実現できたこと
安達保氏:今後の事業戦略についてですが、まずは2018年度の総括をさせていただきたいと思います。それでは、2018年度に実現できたことを簡単にご説明します。
売上高・営業利益ともに2期連続の増収増益を達成しました。「進研ゼミ」が増収増益、学校向け教育事業も極めて順調に成長し、学習塾事業も順調に拡大しています。
一方、一昨年より少し懸念がありました中国の「こどもちゃれんじ」事業、大きな赤字を記録している「ベルリッツ」は、着実に改革を実行しています。
また、介護・保育事業も極めて順調に拡大しており、2018年度は大幅な増益を達成しました。
現状の課題
一方で、課題も明確になってきています。
まず、進研ゼミ と国内のこどもちゃれんじの回復シナリオが想定を下回ったことです。後ほど詳しくご説明しますが、今年4月の会員数は262万人で、対前年で1.9パーセントの伸びでした。当初目標としていました274万人には遠く及ばなかった状況です。
また、中国のこどもちゃれんじの会員数の成長も減速が続いています。さらに、ベルリッツの構造改革は確実に進めてはいますが、一部で遅延が起きている状況です。
業績ハイライト(2018年度実績、2019年度見通し)
業績ハイライトを確認します。
2018年度の売上高は4,394億円で、前年比1.1パーセント増。2019年度は4,590億円で、前年度から4.5パーセントの増加を見込んでいます。
一方、2018年度の営業利益は162億円で、前年比28.7パーセント増でした。この営業利益を2019年度は200億円まで上げようという計画になっていますが、前年度と比較して23.1パーセント増加です。
しかしながら、中期経営計画の中で当社が設定した目標は250億円でした。したがって、この200億円では、当初目標には到達していない状況であり、その原因となるのは3つの問題です。これらについて、今後どうしていくのかについてご説明します。
成長戦略:国内教育(進研ゼミ)①
まず、国内教育です。
進研ゼミですが、4月の会員数は目標に到達しなかったのですが、これからの戦略として、会員数の成長を求める戦略から、利益成長を求める戦略へ変更することを考えています。
今年4月は、当社が想定していたような販売効率が得られませんでした。相当販促費を減らしながら大きな新規獲得を目指していたわけですが、残念ながら達成できず、販売効率としては、前年からほぼ横ばいの状況でした。
このまま会員数を追求していくと、足元の販売促進費用が大きく膨らみ、利益が毀損される状況です。ここで、会員数を伸ばすよりも、まず第一に利益を考える戦略に思い切って変えています。
幸いなことに、すでに進研ゼミをお使いいただいているお客さまの継続率は順調で、(小・中・高の)12学年のうち、6学年で過去最高を記録しています。したがって、今進研ゼミを使っていただいているお客さまを大切にし、さらに商品をよくして継続率を上げていくことを第一に考えていく戦略です。
一方、非効率的な新規販売は抑制し、安定的な在籍成長を目指していきます。その前提で、4月の会員数の成長率は毎年3パーセント程度を目指す予定です。
また、商品・サービスはさらに品質を上げていくことが絶対条件で、その鍵になるのがデジタル化推進です。
今、小学生・中学生のお子さまの半分以上がタブレットを使って勉強しています。タブレットを使うと、一人ひとりのお客さまに合わせた、一人ひとりのお客さまの学習進度、理解度に合わせた教材提供が可能になります。こうした個別性の向上をさらに突き進めていきたいと思っています。
販売戦略ですが、今一度見直しをして「時期別×ターゲット別×チャネル別」の販売戦略を再構築したいと考えています。これは実は、今年の新規販売の反省から考えたものです。
今年の新規販売は、3月中旬までは極めて順調に推移していました。それまでは教育熱心層と言われるお客さまに訴求して、順調に新規を獲得していました。しかし、3月後半から4月にかけて、いわゆるマスのお客さまに当社のメッセージをお届けしようとしたのですが、残念ながら届かなかったという状況がございます。
したがって、どのタイミングで、どのお客さまに、当社のどういったメッセージをお伝えするのか、どういったチャネルでお伝えするのかといった販売戦略を、もう一度しっかり見直す必要があります。
ご存知のとおり、当社はDM等を中心にしてきましたが、デジタルマーケティングの世界で、SNSやWebなどを使いながら効率的にお客さまに当社のメッセージをお伝えするような、新しい販売戦略を考えていきます。
成長戦略:国内教育(進研ゼミ)②
国内教育、進研ゼミについてです。
先ほど申し上げたように、商品・サービスのデジタル化が鍵になっていきます。このデジタル化を進めることでお客さまの満足度が向上し、一方でコストを削減して収益性を向上することができると考えています。
例えば、小学講座ではタブレットを使っているお子さまに、いわゆるデジタル機能の進化で「とき直し」機能を用意しています。お子さまが実際に間違えた問題を、何回か自分で繰り返して勉強して、ちゃんと身に付けられるようにしたものです。この機能が非常に評価されており、お子さまのタブレット活用度が上がってきた状況です。活用度が上がり、成績も上がってきたことから、デジタルのよさがここに表れていると思っています。
また中学・高校もデジタルの機能を使って、教材を進化させています。高校講座の例ですが、今年からスマートフォンをメインにした教材に転換しています。スライドの「2018年」の部分ですが、さまざまな紙の教材をお届けして高校生に使っていただこうとしたものの、高校生は忙しくてなかなか教材を全部使いきれないという問題がありました。
高校生は、ほとんどの人がスマホを使っていますので、今年はスマホがメインで、スマホを補完するかたちで、非常にシンプルな紙の教材をお付けしている状況です。スマホを教科書のページにかざすと、そのページの説明が動画で出てくるという非常に優れたものです。したがって高校生はスキマ時間を使いながら、あるいは登下校の間でも、予習・復習を効率的にできるわけです。
このように、デジタルを1つの鍵にしながら、当社の商品の品質をさらに上げていきたいと思っています。
成長戦略:国内教育(学校向け教育)
国内教育のなかの学校向け教育についてです。
ご案内のとおり、教育入試改革が目前に迫っていますので、これに対応した学校支援を今後も強化していきます。そのなかで、いくつか事例をご説明します。
「GTEC」は昨年の株主総会でも詳しくご説明しましたが、英語の4技能をテストする試験です。この受検者数が126万人ということで、前年比で23万人増えています。来年からは大学入試試験に民間の検定を使うとのことですが、GTECもそのなかに選ばれています。このGTECは、英語の4技能をテストするものとして今後ますます増えていくと考えています。
また、デジタルプラットフォームとして「Classi」というものがありますが、これは高校でお使いいただいているITプラットフォームです。このITプラットフォーム上で、先生と生徒さまの間で、宿題を出したり質問があったりということで、コミュニケーションのプラットフォームになっています。
そこにまたいろいろなアプリケーションを乗せていくことによって、生徒さまもいろいろな学習ができるという世界が広がっています。プラットフォームになるClassiは現在約2,500校が導入しており、高校全体のうちの約50パーセントと、ある意味ではデファクト化している状況です。
また、従来から展開している「進研模試」はアセスメントの分野ですが、受験者数は560万人です。教育改革・入試改革に合わせて思考力・判断力を強化する、あるいは記述式の試験をするような内容に変えてきています。こちらも、高校の導入率でNo.1と非常に強い商品になっています。
このように、新しい教育に合わせた学校支援を着実に実行し、業績も大変伸びているわけです。
成長戦略:国内教育(学習塾・英語)
国内教育のなかの、学習塾・英語教育についてです。
当社では、グループ学習塾として383教室を全国で展開しています。そのなかの「東京個別指導学院」は、2018年のオリコン顧客満足度ランキングで、個別指導では日本でNo.1の教室です。
さらに「鉄緑会」という塾もあり、東京大学あるいは医学部に非常に多くの生徒さまを送り込んでいます。これらが確実に業績を伸ばしています。
また近年は、「クラスベネッセ」を展開しています。以前ご説明したかと思いますが、進研ゼミの教材を使って塾で個別指導するもので、当社の直営ならびにフランチャイズで進めています。
進研ゼミの教材を使うことで、進研ゼミのお客さまの継続率アップにもつながっていますし、お子さまがどういうかたちで進研ゼミの教材を使っているのか、我々が肌で感じることができる非常に貴重な場になっているわけです。
英語教室「BE studio」もあります。英語教育の早期化が叫ばれていますが、お子さまにどのような英語教育をしたらいいのか、悩まれている方も多いと思います。そのようなお客さまの悩みにお応えするためにBE studioを展開しています。今まで当社が展開していた「ベネッセこども英語教室」「ミネルヴァ」の2つの事業を統合しまして、新しいブランドでスタートしています。こちらも、お客さまから非常に評価をいただいているものです。
成長戦略:国内教育事業全体
ベネッセの教育事業は、大きくわけて「進研ゼミ」「学校事業」「塾・教室」の3本柱です。これからは、この3本柱を融合させて、当社のアセットを使いながら新しい教育を展開していけると考えています。
現在、国内教育の横断プロジェクトというかたちで、当社が持っているアセットを横ぐしで連携させながら、さまざまな活動を行っています。
英語4技能商品の開発は、先ほどGTECについてもお話ししましたが、進研ゼミでも英語4技能の教育を行っており、塾・教室でもこうしたことがこれからスタートします。
また、次世代の校外学習サービスの構築ということで、校外学習の新しい事業モデルを作ろうと取り組んでいます。先ほど、進研ゼミと塾を融合させたクラスベネッセのお話をしましたが、考え方としてはそれに非常に近いものです。
さらに、「STEAM教育」ということで、「Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics」の新しい能力を持った子どもたちを育てるための商品も積極的に開発しています。
そして、大学・社会人事業の成長を加速させていきたいと考えています。とくに社会人の教育は、これから非常に大きなテーマになっていきます。「リカレント教育」ということが叫ばれていますが、社会人の学び直しであったり、転職する方々がどんどん増え、転職の際に新しいスキルを身につけたいというお客さまが増えています。こうした方たちに対する教育や教材を提供していくことが、1つの大きなビジネスになると考えて、すでにさまざまな手を打っているわけです。
成長戦略:グローバルこどもちゃれんじ
グローバルこどもちゃれんじは、先ほど申し上げましたように中国での成長が減速している状況です。これについては、2段階の改革で成長を加速させたいと考えています。
昨年度、月齢版の商品の全面リニューアルを行いました。中国のこどもちゃれんじは、長い間商品改訂をしておらず、その影響もあって成長が減速していたわけですが、この月齢版のリニューアルによって、確実にお客さまはまた戻ってきますし、継続率も増加することがはっきりしてきました。したがって、ほかのラインの改訂も急ぐ必要がある状況です。
昨年、ECのチャネル、いわゆる電子商取引のチャネルで、こどもちゃれんじが相当購買されるということが起こっています。日本ではまだスタートしていませんが、いわゆるAmazonのようなECサイトでこどもちゃれんじが売られている状況です。
この状況のなか、今年度、あるいは来年度で、まずは商品改訂の前倒しをして、早くいいものにしていきます。とくに中国では、教育熱心層のお客さまがどんどん増えていますので、そうしたお客さまにきちんと受け入れられるような商品に改訂します。さらに、ECチャネルを全体のなかで15パーセントぐらいまで増やしていこうと考えています。
グローバルこどもちゃれんじは、いわゆる生活習慣を学ぶという意味では非常に評価が高いわけですが、学習ツールとしてはまだまだ考える必要があると思っています。
当社は、とくに中国では進研ゼミのような小学校以上を対象にしたプログラムを持っていませんので、幼稚園に入られたお客さまに、いかにこどもちゃれんじを使い続けていただくかが、非常に大きな課題になっています。
したがって、幼稚園入園後のラインの商品・サービスの抜本的な改訂に向けて、当社だけでなく、現地のパートナーと一緒に、新しい事業モデルを作るために検討を始めている最中です。
成長戦略:介護・保育①
介護・保育事業については、極めて順調に拡大しています。7つのシリーズで322ホームを全国展開しており、入居率も96パーセントということで、業界のなかでおそらくトップクラスになる入居率を誇っています。
成長戦略:介護・保育②
基本的な今後の戦略は、今までと大きく変わるわけではありません。安定的にホーム数を拡大し、高入居率を維持していく。これに尽きるわけですが、とくにホーム数についてはハイエンドのホームを中心に、年間10ホーム程度の安定成長を実現していきたいと考えています。
当然のことながら、サービス品質をさらに上げていくことは極めて重要です。これも昨年ご説明しましたが、認知症のケアや介護ホームのハードウェアのさまざまなノウハウを言語化して、「ベネッセメソッド」というかたちで確立して横展開するということで、引き続き強力に進めていきます。
また昨年は、サービスナビゲーションシステムという新しいITシステムを、全介護ホームに導入しました。これは、介護スタッフのさまざまな仕事をITがサポートするものです。入居者さまのさまざまな情報や、いつ・どこで・どういうサービスをしなければならないのかという情報がすべてITプラットフォームのなかに入っており、介護スタッフは、今までは紙や人づてのコミュニケーションに頼っていましたが、これを使うことによって、はるかに効率的に仕事ができます。
そしてその(効率化によって生まれた)時間を、入居者さまへの品質の高いサービスに振り向けることができるという仕組みになっています。
なお、優れたITシステムに賞を与えるIT賞において、このサービスナビゲーションシステムが2018年度に「ITビジネス賞」を獲得しています。非常に評価されているシステムになります。
ご案内のとおり、介護施設や保育施設にとって、人が一番重要です。介護スタッフ、保育スタッフで優秀なスタッフをいかに確保して育成していくかは、永遠の課題です。ベネッセも、これをさらに強化していくために新しい人事制度を設計しています。
介護スタッフには、いわゆる世の中で認められた資格がありますが、もっときめ細かい社内資格を作り、それで専門性を評価します。そして、スキルの高いスタッフには処遇していく仕組みを導入して、優秀な、あるいはやる気のある介護スタッフの確保・育成に力を入れている状況です。
成長戦略:ベルリッツ①
事業面での最後のテーマが、ベルリッツです。
ベルリッツについては大変ご心配をおかけしていますが、2018年度については赤字は拡大しているものの、構造改革は確実に実施しています。
一昨年、外部より招聘した新しいCEOと経営陣が、今までとまったく違うレベルで会社の改革を実行しており、昨年、語学レッスン事業、留学支援事業ともに大幅なリストラクチャリングを実行しました。
また、リストラだけでは将来の成長は見込めませんので、次世代商品である「ベルリッツ2.0」の開発にも着手しています。
ご案内のことかと思いますが、ベルリッツはいわゆる対面のマンツーマンの語学レッスンで、非常に品質は高いのですが、それを受講されるお客さまの範囲が非常に狭められるという状況です。
この対面で非常に質の高い語学レッスンを維持しながら、一方でオンラインやスマホというものをうまく組み合わせて、金額的にも少し安価なサービスをいろいろなお客さまに提供していけるよう、大きな戦略変更をしています。
それにより、いちいち教室まで行かなくても自分の好きなタイミング、好きな場所でレッスンを受ることが可能になる商品です。この開発に着手するということで、今年が一番大きな開発の山場になっています。
また、中国のCIIC社という会社との連携もスタートしています。このCIICは、人材サービスを展開する政府系の企業ですが、そこと戦略的なフランチャイズ契約を結び、ここ数年間で中国国内に150ヶ所の教室を展開する取り組みがスタートしており、順調に教室をオープンしている状況です。
一方で、いくつかの問題もはっきりしています。欧州の1ヶ国ですが、当初予定していなかった状況のなか、思い切ってその国のオペレーションを閉めようと決断しています。こちらも今年の前半に終える予定です。
さらに、留学支援事業については昨年リストラを行いましたが、固定費をもう一段下げる必要があるということで、その準備をしているところです。日本の営業面は非常に調子がよいのですが、北米と南米では営業面での回復が遅れているということで、そこにも手をつけなければいけない状況です。
成長戦略:ベルリッツ②
したがって、今年の後半については、まずこのリストラクチャリングの総仕上げをしていきます。そして、次の成長に向けた施策を実行するということで、これから年末にかけてが大きな山場になると考えています。
先ほどお話ししたベルリッツ2.0の導入は、第4四半期の10月~12月に予定されています。また、業務インフラの整備についても、ベルリッツ2.0と同じようなかたちで新しいプラットフォームを導入しますが、2019年末までに導入予定です。
ベネッセは世界全体で約450ヶ所の教室を持っています。そのうちの4分の3ほどは直営ですが、すべてを直営で展開する必要がもうないだろうということで、地域によっては積極的にフランチャイズ化を行っています。
また、営業面ではマーケティングということで、デジタルマーケティングに非常に強い専門家を外部から連れてきまして、新しい販売をスタートしています。これによって、ベルリッツに対する問い合わせが大幅に増えている状況です。
ベルリッツはまだ大きな課題がありますが、真剣に取り組んでおり、これらを実現させれば必ず新しいベルリッツができると期待しています。
いろいろお話をしたとおり、課題はあります。しかし、問題の原因もはっきりしており、対策の方針も明確です。したがって、あとはやるだけだと思っています。今年は変革の年であるということを、経営陣、そして社員全員に話をして、檄を飛ばしていますので、危機感を持って対応していきたいと思っています。
サステナビリティの推進
少し中長期のお話をしたいと思います。「持続的成長に向けて」ということで、ご案内のとおり、世の中では2030年に向けて、サステナビリティ、あるいは持続可能な開発目標「SDGs」が非常に話題になっています。
ベネッセの「よく生きる」という企業理念とサステナビリティは、非常に親和性が高いと考えています。教育・介護という極めて重要な社会課題に真正面から取り組んできたベネッセが、サステナビリティの分野でこれからやっていけることに、活路があると考えています。
昨年、サステナビリティ推進委員会を発足させています。「サステナビリティビジョン
」についてですが、「人生のすべてに学びを」は、当社が主に展開している小・中・高や大学生だけでなく、すべての世代の教育を担っていきたいと考えています。あるいは、海外のお客さまの教育も担っていきたいという思いが込められています。
また、「超高齢社会に向けて」ということで、当社は介護事業で非常に強いポジションにいるわけですが、これをさらに広げて、超高齢社会においてお役に立つようなことを、日本だけでなく海外でも展開できるのではないかと考えています。
「知見の社会還元」は、当社が培ってきた教育・介護のさまざまな知見を、我々のところだけにとどめるのではなく、もっと社会にオープンにしていこうということです。そして、ほかの業者さま、ほかのみなさまもそれを使って、よりよい社会ができればそれでいいじゃないかという考え方で、知見を社会還元していこうという考え方です。
「地域との価値共創」は、直島が非常によい例です。地域と一体となって、教育・介護と、文化も含めて価値を共創して、より人々が幸せに暮らせるような場所にしていきたいという思いが込められています。
最後は「健やかな社会の実現」です。これからの生活の基本は健康です。その健康な生活を支えていくような事業にも踏み込んでいきたい。
こうした内容のビジョンを発表しています。
株主還元
配当についてお話しします。昨年は減配ということで、大変ご迷惑をおかけしました。今後業績が戻ってくれば、必ず増配は可能だと考えていますが、今年度については1株当たり50円ということで、昨年ここでお話ししたレベルを維持させていただきたいと考えています。
最後に
今日は、さまざまな課題についてお話ししました。事業環境も大きく変化しています。あらためて、今年度は変革の年であるということを強く感じていますので、中期的な成長に向けた本格的な改革を実践していきたいと思っています。
また、前にもお話ししましたが、教育・介護に続く第3の柱を実現するために、2022年度に向けてM&Aも実施していきたいと考えています。
以上、事業戦略についてお話しいたしました。株主のみなさまには、引き続き、なお一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げたいと思います。
どうもありがとうございました。