世界的にも有名な、日本人の貯金好き。「ボーナスも、ほとんどを貯金に回す」という人も少なからずいるでしょう。一方で、ボーナスを貯金したいと思っていても、なかなか実現できていない人もいます。原因としては、大きく分けて下記4つの可能性が挙げられます。
(1) そもそもボーナスが出ない、少ない
そもそもボーナスがない、あるいは僅かな額であれば、貯金ができないのは当然。これまで非正規雇用や中小企業においては、ボーナスが支給されないケースも珍しくありませんでした。
しかし、政府が推進する同一労働同一賃金を含む「働き方改革関連法」が18年6月に成立したことで、今後は状況が変わる可能性も。この法律は大企業では20年4月から、中小企業では21年4月から正式に施行される見込みです。非正規雇用労働者にもボーナスが支給される可能性に、大きな期待が寄せられています。
(2) 遊興費に使いすぎている
「毎年ボーナスで家族旅行に行っている」「ボーナスをアテにして、毎年大きな買い物をする」という人もいることでしょう。こうした行動は仕事のモチベーションにもなりますし、過度のストレスをためないため、また経済を回すためにも、適度であれば健康的なことです。
ただ、貯金が足りていない自覚がある場合は、毎年の習慣やサイクルを一旦止めて、今後のプランを立ててから、ボーナスで使える額を決め直すのがおすすめです。目先の欲望だけにとらわれず、将来の備えについてもしっかり考えておきましょう。
(3) 負債の返済に充てている
住宅ローンなどの返済に「ボーナス払い」を利用している人も少なくないかと思います。しかし、ボーナスはあくまでも臨時収入。「必ず入ってくるもの」と想定して支払いの予定を決め込んでしまうのは、少々リスキーな場合もあります。ローンの返済も、最短コースと最長コースを考えておき、毎年ボーナスの支給額によって微調整をしながら進めていくのがおすすめです。
(4) 生活費の赤字補てんに充てている
毎月発生する「赤字の穴埋め」にボーナスを使っている、という人もいるでしょう。この場合はボーナスの支給が止まると赤字が雪だるま式にふくらむ可能性があり、非常にリスキーです。毎月のように赤字になるという人は、収入に見合わない生活をしている可能性が大。収入の範囲内で生活ができるよう、支出を減らし、節約に励む必要があるでしょう。
そうと決まれば、まずは家計の収支の現状把握を。「お金を何に使っているのか」を洗い出してみましょう。とくに、固定費はしっかり見直してみてください。毎月必ず家計から出ていく固定費は、年間トータルで見ると、予想以上に高額になっていることが多いです。
携帯料金やインターネット代、家賃や自動車の維持費、保険料などの他、最近は雑貨・衣類のレンタルや音楽・映画など娯楽系の定額サービスも増えています。本当に毎月必要なのかを見直し、よりコストパフォーマンスの良いサービスが新しく提供されていないかも定期的にチェックしてみるといいでしょう。
確実に貯金したければ、「先取り貯金」を
ボーナスを使うか、貯めるかは各世帯の支給額や資産状況にもよるので一概には言えませんが、確実に貯めたいならば、支給後すぐに貯金用の口座に移してしまう方法が一番簡単で効果的です。初めから「もらっていないもの」と思えば、余計なお金を使いすぎることを避けられます。
現在ボーナスが支給されていない人でも、近い将来受け取れるようになる可能性もありますので、前向きに資産形成に取り組んでいきたいですね。ボーナスの支給がある人は、資産の現状や人生プランに合った最適なボーナスの使い道について、支給前にじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
【参考】
『2019年夏季ボーナス予測』みずほ総合研究所
『中小企業の夏季ボーナス支給状況』大阪シティ信用金庫
LIMO編集部