夏のボーナスの時期ですね。パッと使ってしまいたい気もしますが、老後資金に関するニュースを頻繁に見聞きするこの頃、貯めるべきか悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、今年のボーナス額やその使い方について改めて検証してみました。
大企業と中小企業の「ボーナス」の実情は?
まずは、気になるボーナスの平均額についてです。2019年3月に日本経済団体連合会が公表した「2018年夏季・冬季賞与・一時金調査結果」によれば、18年のボーナス支給額は下記のようになっています。この調査は従業員500人以上の企業に属している対象者が7割以上を占めているため、大企業の実態を表したものと考えてよいでしょう。
なお、みずほ総合研究所の発表によれば、19年夏の民間企業のボーナス支給額は「前年比+0.8%」と予想されており、上記と近しい額が期待できそうです。
続いて、中小企業の場合を見ていきましょう。大阪市中央区に本店を置く大阪シティ信用金庫が18年6月に公表した「中小企業の夏季ボーナス支給状況」によれば、ボーナスを支給すると答えた企業の割合は59.6%、支給額の平均値は26万2570円となっています。本調査は大阪のみを対象としているものですが、大企業との間には大きな格差が生じている実態がうかがえます。
ボーナス支給は企業の「義務」ではない
ボーナスの支給は、法的に義務付けられたものではありません。世の中の変化や所属する企業の状況によっては、支給がない年があってもおかしくないのですね。
そのため、「当然もらえるもの」と思ってアテにしすぎると、出なくなったときに生活が立ち行かなくなる可能性も。
常にボーナスありきで家計の収支を立てているという人は、減額された場合や支給そのものが無くなった場合のプランも検討しておくと安心でしょう。
ただし公務員の場合は、例外です。国家公務員のボーナスは、民間ボーナスの支給実績に基づいて毎年作成される「人事院勧告」をベースに決められており、地方公務員の場合は、国家公務員やその地域における民間給与の水準を考慮し、地方自治体が支給額を決定しています。
立場や地域によって金額が異なることはあっても、ボーナスがまったく出ない確率は低いと考えられるでしょう。