株式市場の振り返り―戻り売り圧力が強く大幅続落に
2016年1月21日の東京株式市場は、日経平均株価が前日比▲2.4%下落、TOPIXが▲2.8%下落しました。
前日の米国市場が大幅安後に引けにかけて下げ止まりの動きを示したことを受け、日経平均は高く始まりました。その後、原油先物市場が落ち着いてきたことや為替がやや円安で推移したため、主力株を中心に買戻しの動きが広がり、前場はプラスで引けました。
後場の日経平均は、寄り付き直後に高値を付けたあと、一転して戻り売りの動きが強まり、13時過ぎから値下がりに転じ、安値引けで終わりました。
21日の高値から安値までの値幅は700円超となり、非常にボラティリティの高い1日でした。東証1部売買代金は3.08兆円となり前日比+15%増加しています。
セクター動向と主要銘柄の動き―その他金融業が大きく下落
東証33業種別では、33業種全てが下落しました。下落率が小さかったのは、空運業▲0.4%下落、ガラス・土石製品▲0.9%下落、ゴム製品▲1.3%下落。一方、下げが大きかった3業種は、その他金融業▲5.4%下落、不動産業▲4.1%下落、食料品▲3.7%下落でした。
日経300での値上り上位3社は、シャープ(6753、電気機器)、旭硝子(5201、ガラス・土石製品)、日本電気硝子(5214、ガラス・土石製品)です。一方、値下がり率上位3社は前田道路(1883、建設業)、オリックス(8591、その他金融業)、東北電力(9506、電気・ガス業)でした。
シャープについては、一部メディアが台湾のフォックスコン社が買収提案を行ったという報道を受け、後場に急伸しています。また、ガラス2社については証券会社の投資判断引き上げが上昇の一因のようです。
一方、前田道路については昨日の談合による家宅捜索を受けたニュースが尾を引いているようです。東北電力については、設置を進めているスマートメーターに不具合が見つかったという報道が影響を与えています。
オリックスについては、固有のニュースは見当たりませんが、欧州銀行の業績悪化懸念により銀行セクターも軟調であった影響を受けたものと推察されます。また、メガバンクも軟調で、三井住友ファイナンシャルグループ(8316)や三菱UFJファイナンシャル・グループ(8306)ともに昨年来安値を更新しています。
本日のポイントと注目テーマと関連銘柄
21日は、後場寄り付き直後に高値を付け、ようやく底打ちかと感じられましたが、その直後から急落となり、かろうじて1万6,000円をキープしたものの、後味の悪い1日となりました。
売買代金が3兆円を超えてきたことから、戻り売りだけではなく、ボトムフィッシングの動きも出てきていると推察されますが、結果としては戻り売り派の勝利となったという印象です。
20日に下方修正を発表した安川電機(6506)の株価は▲8.0%の下落となりました。既に同社株は年初から大幅に下落していましたが、悪材料に対してはとりあえずネガティブと見られ、織り込み済みということにはなりませんでした。
21日は日本電産(6594)が決算を発表し、通期予想を据え置く一方で自社株買いを発表しています。同社の株価も年初から大きく下落していますが、今回の決算が反転のきっかけになるか注目したいと思います。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
【2016年1月22日 投信1編集部】
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LIMO編集部